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2004年11月01日

権力かさに教授らが嫌がらせ アカハラ予防へ大学 道内でも指針作り

北海道新聞(10/28)

 道内の各大学で、教育、研究の場における権力を利用した嫌がらせ「アカデミックハラスメント(アカハラ)」への対策が本格化してきた。北大が本年度、東北大などと共同で防止指針作りに着手したほか、旭川医大は十月、セクハラ防止規定を拡充する形でアカハラへの取り組みを始めた。

 アカハラは、大学などでの人格を傷つける暴言、研究や論文作成の妨害など、教育・研究現場で教授らが学生らの権利を侵害する嫌がらせをいう。各大学では、例えば「気に入らない」などの不当な理由で単位を与えなかったり、どう喝を繰り返すケースなどを想定している。セクハラを伴う場合も多い。

 この問題への対処を考えるため、北大は七月、東北大、東大、東工大、九大とともに五大学合同研究協議会を発足させた。

 背景にはアカハラ相談の急増がある。北大学生相談室では、三年前には年間二件しかなかった相談が、本年度は月二件のペースに増えている。

 協議会では、適正な指導とハラスメント行為の線引き、対処の体制構築などについて話し合い、二○○五年度に指針の素案作りを目指す。それをもとに北大は○六年度、独自指針作成にこぎつけたい考え。相談室の大畑昇室長(歯学研究科教授)は「表に出ているのは氷山の一角。セクハラ同様、処分も可能な学内体制を整え、職員の意識に働きかけたい」と話す。

 旭川医大は十月から、従来のセクハラ防止規定を拡充した。権力、上下関係の優越的な地位に基づく嫌がらせや差別をアカハラと定義し、大学が防止に取り組む対象と位置付けた。今後、ポスターなどで職員、学生への啓発を図っていく。

 また、道教大は近く、教職員、学生へのアンケートで実態を調査する計画だ。帯広畜産大も本年度から、ハラスメント全般に対応する指針作りに着手。小樽商大は五年前に「ハラスメント相談室」を設置している。

 私立大では、道情報大、北星学園大がすでに防止指針、規定を作成している。

 アカハラは密室で行われる上、セクハラ以上に定義が難しく表面化しづらいが、被害者側の人権侵害に対する意識の高まりが、事態を後押ししたといえる。

 また、今春からの国立大の法人化により、魅力あるキャンパスづくりを競い始めたことも背景にある。教員の身分が国家公務員でなくなり、問題が起きれば大学が雇用主として責任を問われる場合もあることから、各大学とも事態を軽視できないと判断したようだ。


投稿者 管理者 : 2004年11月01日 00:33

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