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2004年11月01日
「この死を無駄にしない」「息子さんは1粒の麦になったんですね」
この死を無駄にしない 人間の盾、木村さんに父「人間の盾」として戦争反対を訴えた福岡国際キリスト教会(福岡市)の牧師木村公一さん(57)が31日夜、イラク日本人殺害事件で犠牲となった香田証生さん(24)の福岡県直方市の実家を訪れ、両親らに面会した。木村さんは父親の真澄さん(54)が「この死を無駄にしない」と話したことなどを明らかにした。
木村さんはこの日、同県飯塚市内で講演会の予定があり、証生さんの拘束後、一家を励まそうと事前に連絡。偶然に遺体発見日に訪問が重なってしまったという。
面会では木村さんが、証生さんの死について「今後の私たちの生き方が問われているのではないか」と尋ねると、真澄さんは「死を無駄にしない。そういう生き方を選んでいきたい」と応じた。
同席した母親の節子さん(50)は泣き腫らした目をしていたが、木村さんが「1粒の麦は、地に落ちて死ななければ、1粒のままである。だが、死ねば多くの実を結ぶ」という聖書の言葉を引き「息子さんは1粒の麦になったんですね」と問い掛けると、張りのある声で「先生、その通りなんです」と答えたという。
木村さんは、日本政府が武装グループと交渉できずに証生さんの遺体が発見された経緯について「外務省と小泉純一郎首相の無能さをさらけ出している」と批判した。
誰も望んでいない道を誰もが歩むことになるときが近づいているAcademia e-Network Project(10/31)より
香田さんが殺された。イラクで何が起きているか命の危険を冒してまで自分自身で確認しようとした香田さんが殺された。自分自身の無関心と戦うためにはイラク行きどうしても必要だと思いつめたように私には思える。
香田さんがわたしたちに残していったものは、日本が直面している歴史的岐路を正面から見据え、勇気ある冷静な選択をする機会である。おそらくは最後の機会である。
イラクの青年ライードさんは日本人への公開書簡の中で、自衛隊のイラク駐留の役割は、イラクに対する米国の戦争に「国際的」という隠れ蓑を与えることに尽きる、と指摘している。イラク戦争の開戦の根拠が間違いだったことを米国自身が明かにし、イラクにおける自衛隊の人道支援の内実がイラクの人々にも国際的にも明かになり、また、世論の2/3がイラク駐留延長に反対している中で、自衛隊のイラク駐留延長の準備が当然のように始められている。日本の主権が不完全であることを端的に示す状況がここにある。1952年に日本の主権が国際法的に回復してすでに半世紀を経過したが、いまなお主権は完全には回復しておらず、特に軍事面では主権は全く回復していないことを、これほど明確に示すものはないだろう。
よく知っているマスメディアがほとんど触れず、多くの人が気付いていても見てみぬふりをしている、日本の半主権状況は、わたしたちの誰もが望んでいない道をわたしたちに歩ませようとしている。間違いであることを誰でも気付いている選択を思い留まらせる機会を、香田さんは私たちに与えてくれたのである。
■政府の対応批判 ピースボート代表(共同通信10/31)
■イラク邦人殺害:4月の人質事件家族らが語る(毎日新聞10/31)
■イラク邦人殺害:自衛隊駐留のサマワで人々哀悼(毎日新聞10/31)
投稿者 管理者 : 2004年11月01日 00:38
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