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2004年11月09日

憲法改悪を許さない11・3憲法集会

法学館憲法研究所
 ∟●「憲法改悪を許さない11・3憲法集会」より転載

 11月3日、「憲法行脚の会」と「11・3集会実行委員会」の共催で、憲法集会が開催されました。400人を超えるたくさんの方が参加しました。
 
 まず水島朝穂教授(早稲田大学・憲法学)が、「改憲論と冷静に向き合うために」と題して講演しました。教授はまず、そもそも「憲法とは何か」をめぐって混乱がみられると話しました。近代憲法の立憲主義によると、憲法とは権力の暴走をチェックするために市民が国家に守らせる約束事です(憲法の名宛人は公務員=第99条)。しかしながら、自民党や読売新聞などの改憲案が、国民を縛るための憲法へと考え方を逆転させていることの重大性を教授は強調しました。そして、「憲法をくらしの中に生かす」等の標語も立憲主義の考え方をふまえて使われる必要性を強調されました。
 教授はまた、小泉首相が憲法規範から離れて「常識で判断する」というとき、立憲主義の規範的な世界を脱却していると警告しました。
 さらに、「何を守るのか」の対象は、9条の規範だけでなく、それと一体になった人権保障や民主主義の制度など「平和憲法的秩序」であることを明確にして議論することが必要であると話しました。
 次に、「憲法行脚の会」のメンバーである在日朝鮮人の辛淑玉さんと朴慶南さんが講演しました。
 辛淑玉さん(人材育成コンサルタント)は、「私たちは憲法の『国民』の中に入っていません。日本では『洋服を着たサル』としてしか扱われていません。9条を護る皆さんの戦いの中に私たちを入れてください。それが日本が生き残れる唯一の道だと思います」と話しました。
 朴慶南さん(エッセイスト)は、最近対談した相手の「日本はもう一度敗戦を迎えないと分からないのではないか」という発言を紹介し、「日本がもう一度敗戦する」とは、アメリカと一緒になって加害者として朝鮮半島で戦争するということであり、被害者になるのは朝鮮の人たちであるという想像力がどうして浮かばないのかと話しました。そして、「9条は私にとっても生命線です。民族も国境も超えて大切な平和を実現しましょう」と訴えました。
 
 集会では、若者が主体の「9LOVE」が9条をアピールする独創的な映像を紹介しました。その他、「男女平等を憲法から消すな!STOP!憲法24条改悪キャンペーン」などからの発言がありました。

(文責 事務局)


投稿者 管理者 : 2004年11月09日 01:16

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