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2004年11月12日

岡山大学、秋から裁量労働制へ

岡山大学職員組合
 ∟●組合だより(76号)

秋から裁量労働制へ

岡山大学職員組合組織部

 かねてから検討されてきた裁量労働制が、10月から実施される見通しとなりました。裁量労働制は「業務の性質上、業務遂行の手段及び時間配分の決定等について本人の裁量に委ねるものとし、その決定に関し、具体的指示を与えないもの」です。「授業時間がおおむね5割に満たない」大学教員に適用が可能になり、岡山大学でも教員の労働実態により適合した制度として導入に向けて検討されてきました。

みなし労働時間8時間

 今回実施予定のものは,医療に携わる教員を除くすべての岡山大学常勤教員(教授、助教授、講師、助手)が適用対象になります。適用教員については
①実労働時間によらず「みなし労働時間」を8時間とする。したがって、8時間以上働いても時間外手当は出ない。
②休日と深夜(午後10時~午前5時)は裁量労働制の適用外なので、時間外手当が出るが、そのためには部局長の許可が必要(許可がなければ時間外手当は出ない)。
③出勤する義務はあるので、出勤簿への押印は毎日しなければならない。
④健康と福祉の確保のため、適用教員は勤務時間と健康状態を「勤務状況報告書」に記録し、毎月部局長に提出しなくてはならない。

 ①について,多くの教員が8時間以上働いている実態を考えると「みなし労働時間8時間」というのは不満がありますが、8時間以上を設定すると時間外手当が発生し大学の財政を圧迫すること、および従来から時間外手当は教員には支払われてこなかつたこと、を考慮して認められたものです。
 ②と③は現行制度と変わりありません。

過重労働防止のための健康管理チェック
 ①は裁量労働制の導入に伴って新たに加わった手間です。裁量労働制を悪用して超勤手当を払わずに長時間労働させる企業があり、過重労働をまねくおそれがあるため、厚生労働省・労働基準監督署は裁量労働制を適用する職場の従業員の健康管理を従来より厳しく使用者に要求しています。
 このため裁量労働制を採り入れる以上、④は省略することができません。せっかく実情に合う制度を導入しても、教員にとって煩雑な手間のかかるものであっては何のための導入か分かりません。④の趣旨を活かしつつ,いかに簡便で使い勝手のよいものにするかが問題でした。

勤務時間の厳密管理は趣旨でない
 ある大学では、出勤時刻・退勤時刻・勤務時間すべてを記入させる報告書が作られていますが、これでは面倒すぎます。勤務時間だけを記入する方式を採つている大学もあります。
 しかし、大学にとつて必要なのは過重労働による健康障害の防止であって、教員の勤務時間を厳密に管理することではないはずです。このような観点から岡山大学では、8時間を超える勤務をした日だけ勤務時間を記入する、別紙のような「勤務状況報告書」とすることになりました。
 労基法の制約の下で、大学教員の働き方に最も相応しい形を求めたものとして、評価したいと考えています。


投稿者 管理者 : 2004年11月12日 00:45

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