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2004年12月20日

日本科学者会議、「京都アピール」

「日本の科学者・技術者・研究者のみなさんへ 京都アピール(PDF)

日本の科学者・技術者・研究者のみなさんへ京都アピール

2004年11月28日
日本科学者会議第15回総合学術研究集会

 わたしたち日本科学者会議会員は、「持続可能な文明をめざして」をテーマに第15回総合学術研究集会を開催し、持続可能性を阻害している要因の解明とその克服の展望について総合的に討議しました。わたしたちは、議論を深めるために5つの分科会を設置し、(1)平和、(2)環境、(3)経済、(4)科学・技術、(5)教育・文化のあり方について検討しました。
 集会では、現在、人類と地球はどの分野、どの課題を考えても、危機的な状況にあることがあらためて明らかにされました。わたしたちは、自らのおかれた状況についての認識と、わたしたち自身の活動への反省をふまえ、日本の科学者・技術者・研究者のみなさんに、人類の一員として、同時に科学者・技術者・研究者としての責任の自覚の上に、今こそ力を発揮することを呼びかけるものです。

(1)アメリカが、根拠のないr大量破壊兵器保有疑惑」を理由にr先制攻撃」として始めたイラク戦争は、新たな報復的暴力行為を誘発する泥沼の様相を呈しています。わたしたちは、アメリカが、人類社会がつくりあげてきた平和のルールの発展方向に逆行して、反民主主義的・独善的なr先制攻撃戦略」に突き進んでいることに反対するとともに、自衛隊のイラクヘの派遣を含め、こうした危険な方向に与する日本政府の対米追随的な姿勢の危険性に警鐘を鳴らしたいと考えます。
 同時に、わたしたちは、地球規模で台頭しつつある反戦・平和の市民運動の流れや、ヨーロッパ連合や東南アジア諸国連合等の国家間の共同の動きに注目し、世界平和の実現にとって、国の枠組みをこえた平和的な秩序構築のための努力が極めて重要であることを訴えます。そして、核兵器を廃絶するとともに、化学兵器や生物兵器等の大量破壊兵器を許さない保証を国際的に確立しなければなりません。
 来たる2005年は、日本がアジア侵略の果てにアメリカによる広島・長崎への原爆投下を経験した第二次世界大戦の終結および国連創設から60年目にあたるとともに、ラッセル・アインシュタイン宣言から50年目にあたります。わたしたちは、過去と誠実かつ科学的に向き合い、r負の遺産」の克服にむけてアジア諸国の研究者や市民との共同の努力を発展させなければなりません。わたしたちは、今こそ、r戦力の不保持」とr戦争の放棄」を高らかに宣言した日本国憲法の先進性を高く評価し、非核・平和・不戦の原理を基調とする安全保障政策への転換を訴えるものです。……


投稿者 管理者 : 2004年12月20日 00:12

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