個別エントリー別

« 長崎県公立大学法人設立準備委員会、第6回委員会 | メイン | その他大学関係のニュース »

2005年01月08日

琉球大学は民主主義の危機、政府の干渉を許すな

「意見広告の会」ニュース233より転載

琉球大学は民主主義の危機、政府の干渉を許すな
永井 獏(實)琉球大学工学部教授

 法人化を果たし最初の年末年始を迎えようとしている琉球大学で、今、とんでもないことが画策されている。
 すなわち、琉球大学経営協議会(学長選考会議)は次期学長候補者の選考に関し、同大学が国立大学法人に移行したことを唯一の根拠に、現行「学長候補者選考規則(1973年制定)」を一方的に改悪し、次期学長候補者の選考に入ろうとしている。伝えられるところによれば、従来、当然の民主的ルールとして実施されてきた「学長候補者選挙管理委員会の施行する全学教員による選挙」を意味不明の「意向調査」に変質させ、しかも同「調査」によって選ばれた候補者が必ずしも学長になるとは限らないとする驚くべき内容を含んでいるようだ。
 これは明らかに歴史に逆行する企てであり、戦後民主憲法の下育まれ確立されてきた国立大学の民主的運営を根底から覆し、大学を再び戦前型の「もの言わぬ大学」に戻そうとする暴挙と断ぜざるを得ない。しかも今回の企てが、現学長森田孟進氏が任命した学外委員によって主導され、規則に反して森田氏の再選を計るものとあっては、この暴挙が同大学の歴史を(米軍占領下で経験したように)再び三度傷つけることは明らかであろう。
 会議の中で最も声高に「学長選挙無用論」を唱えている学外委員が誰あろう「元文部事務次官井上孝美氏」とあっては、そこに日本政府の強い意図を感ぜざるを得ないではないか。森喜郎元首相が屈託もなく発言したように、「沖縄の新聞社と大学には共産党が多数」だから、まず大学から大人しくさせたいのか。ともあれ、「権力者は選挙を嫌う」と云う定理がまたもや証明された。
 経営協議会のこのような動きに対し、同大学では、既に決議を上げて抗議したと聞く理学部教授会、教育学部教授会を始め全学から多数の抗議、批判、疑問の声が上がっていることは当然である。
 森田学長や県内選出の経営協議会委員諸氏は、今こそその良心に立ち戻って、日本政府・与党勢力のあからさまな干渉・大学の自治破壊を断固許さず、当面、次期学長候補者の選考は現行学長候補者選考規則ならびに関連諸細則に沿って実施する立場を明瞭にすべきではないか。
(本文881文字)

永井 獏(實)  琉球大学工学部教授


投稿者 管理者 : 2005年01月08日 02:17

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://university.main.jp/cgi311/mt/mt-tb.cgi/381

コメント