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2005年01月11日

全国学長本社調査から(上)大学像の違い鮮明―優先課題、特色を出し生き残り

日本経済新聞(1/08)

 日本経済新聞社は全国の国公私立大学を対象に昨年十二月、「全学長アンケート」を実施し、四百八十六大学(全体の六九%)の学長から回答を得た。調査では「全入時代」を前にした各大学の経営課題や、めざす大学像の違いが明らかになった。
 七百を超す大学が乱立すると、大学によって優先すべき経営課題は様々だ。
 調査では経営課題を三十六項目示し、優先すべき五項目を選んでもらった。六一・一%と最も多くの学長が選んだのが「大学の特色の明確化」。似たような大学が数多い中で生き残っていくには、他にはない特色を打ち出すしか道はないというのが、共通認識のようだ。
 そのために欠かせないのが「教職員の意識改革」(五七・二%)と「教育カリキュラムの改革」(四五・一%)。「学生定員の確保」(三五・〇%)「財政基盤の強化」(三〇・九%)「就職指導の強化」(三〇・〇%)も緊急の課題だ。
資金調達に苦心
 回答の内容をさらに詳しく見ると、それぞれのお家の事情が浮かんで来る。
 国立大では「財政基盤の強化」「COEなど国の競争的資金の確保」「外部資金の導入」と資金にかかわる課題が三、四、六位に入った。法人化で独自資金の調達を求められている国立大の台所事情を反映した。文部科学省頼みの大学運営からある程度の独り立ちを求められているだけに、思いは深刻だろう。
 公立大では「地元自治体・地域社会との連携強化」が三位。自治体の意向を無視しては存在できない、公立大ならではの課題だ。
 私立大では「教育カリキュラムの改革」が三位だ。「学生定員の確保」「就職指導の強化」「財政基盤の強化」がこれに続く。教育内容を充実させ、出口(就職)を保障することで、少子化の中で一人でも多くの学生を集めようとの意欲がにじみ出る。
東京優位めだつ
 地域別では、東京都内にある大学の強さが光る。
 「学生の確保」は東京以外の大学では四位にあげた重要課題だが、都内の大学では十位。少子化とはいえ、都内ではまだ余裕があるらしい。半面、都内では五位、七位だった「大学院の強化」「校舎の建て替え」は、東京以外に立地する大学では十位、十四位と後退。投資力の差もうかがえ、東京とそれ以外で格差拡大が進みそうだ。
 設立時期別に見ると、「学生確保」は、戦前に創設された伝統校で九位。終戦直後(昭和二十―二十五年)の創設大学は十八位なのに対し、戦後昭和創設(昭和二十六―六十四年)の大学では四位、平成に入って創設された大学は三位に上がる。新設校ほど学生確保が深刻な課題であることを示している。
 全体では二十位の「高大連携推進」が、定員割れの大学では十一位に浮上した。定員割れ大学では「学生確保」が最優先課題だけに、高大連携に掛ける期待はひとしおのようだ。

投稿者 管理者 : 2005年01月11日 00:30

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