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2005年01月17日

岩手大教職員組合、「国立大学の授業料標準額の値上げに抗議を」

岩手大教職員組合、「国立大学の授業料標準額の値上げに抗議を」

岩手大学長
 平山健一 殿

国立大学の授業料標準額の値上げに抗議を

岩手大学教職員組合委員長
玉 真之介

 文部科学省は、12月22日付けの事務連絡で、国立大学の授業料標準額を値上げする旨の通知を行いました。しかし、事務連絡にある「私立大学の授業料等の水準など社会経済情勢等を総合的に勘案し」ても、授業料を値上げする理由はまったく見当たりません。なぜなら、授業料を引き下げた私立大学も少なくなく、消費者物価や勤労者賃金は数年来、低下しているからです。
 これまで続いた国立大学の入学金・授業料の隔年引き上は、財政危機の弥縫のため教育や福祉などの費用を削減する財務省の姑息な手段の1つと言うほかありません。法人化後もこの隔年引き上げを続けていけば、金持ちでなければ高等教育を受けられなくなり、教育の機会均等の原則は反古にされてしまいます。
 しかるに事務連絡は、受験生もその親もわかっている本当の理由をよそに、「各国立大学法人において授業料の額を改定される場合は、学生・保護者に対する事前の周知に努めていただくようお願いいたします。」などと、説明の責任を大学に押し付けています。
 参議院文教委員会附帯決議は、第13項で「学生納付金については、経済状況によって学生の進学機会を奪うこととならないよう、将来にわたって適正な金額、水準を維持する」ことを求めています。にもかかわらず、いったい大学は学生・保護者に対して、どのように説明すればよいと言うのでしょうか。
 こうした理由が不合理で、かつその不合理な説明を大学に求める事務連絡に、学長は強く抗議すべきです。少なくとも、学生・保護者に説明するために、値上げの根拠となる「社会経済情勢等」とは何かを問いただすべきです。
 また、本学の授業料については、私たちが求めてきた学務部・入試課への人員配置の増加や見直しなどの学生サービス向上、さらに今回の学生不祥事の反省に立った学生へのきめ細かい指導・相談対策を明確にした後でなければ、値上げはすべきでないと考えます。


投稿者 管理者 : 2005年01月17日 00:12

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