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2005年01月23日

岩手大授業料値上げ 年間1万5千円

岩手日報(1/22)

 岩手大(平山健一学長)は21日、2005年度から年間授業料を1万5000円(2・9%)値上げし、53万5800円とする方針を発表した。国立大学の年間授業料の目安となる「授業料標準額」引き上げに伴う措置で、同大の授業料値上げは2年ぶり。同大は「教育の機会均等を損なう」などと慎重だったが、このままでは財務の悪化が懸念されるため、値上げは「苦渋の選択」。学生らには「仕方ない」とのあきらめムードも広がるが、親の負担は増えるばかりだ。
 国立大の授業料は、私立大との格差を理由に、1987年から2年ごとに引き上げられてきた。昨年4月の法人化後は、各大学が標準額を目安に授業料を定めている。標準額の最大10%まで値上げが可能で、値下げもできる。
 岩手大は、法人化初年度の授業料は据え置いたが、国の標準額の1万5000円引き上げで事情が一変。標準額が上がれば文部科学省からの運営交付金は減額される上、法人化後は交付金自体も毎年減少。授業料を値上げしなければ年間約1億5000万円の減収が見込まれていた。同大は経営面と教育、研究面から検討を重ねた結果、同大が推進する地域サービス充実のためにも安定した大学経営が必要なことから「値上げやむなし」と判断した。
 学内の掲示板には21日、値上げを告げる文書が張り出された。宮城県出身の人文社会科学部3年の氏家尚華さんは「家賃代もあり年間1万5000円は大きい。親に負担を掛けてしまう」と困惑した様子。
 一方、工学部2年の安藤卓也さんは「国からのお金が出ないなら仕方ない。もっと値上がりすると思った」と話し、農学部3年の伊藤大輔さんは「国立だから安い時代じゃなくなった。授業料に見合った教育を期待したい」と望む。
 同大に通う娘を持つ地方公務員中野和孝さん(53)=盛岡市下米内=は「大学に入るまでも教育費がかかっており、学費の値上げは困る。教育、医療など負担が増える国の施策に憤りを感じる」と不満をあらわにする。
 本県大学の授業料は県立大が岩手大と同額。私大はそれぞれ違うが、盛岡大は年額53万円で、さらに設備費などで42万円が必要だ。
 一緒に標準額引き上げに反対していた弘前大、秋田大は05年度の授業料については検討中。室蘭工業大、山口大、高知大などは既に値上げを発表している。平山学長は「教育の機会均等の役割を果たすべく値上げしない方向で努力してきた。値上げは苦渋の決断」と苦悩の色を見せた。


投稿者 管理者 : 2005年01月23日 01:10

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