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2005年01月25日

憲法改正を考える、東大教授高橋哲也さん

法学館憲法研究所
 ∟●憲法改正を考える(2005年1月24日)

憲法改正を考える

2005年1月24日
高橋哲哉さん(東京大学教授)
馬奈木厳太郎さん(横浜市大非常勤講師)


(聞き手)
今日は、現在の改憲についての議論を中心にお話を伺いたいと思います。まず、最近は様々な方面から憲法を改正しようという動きが出ていますが、このような現状についてはどう思われていますか?

(高橋さん)
確かにいま、改憲の動きが非常に活発です。国会議員でも改憲論が圧倒的多数を占めていますし、一般の人たちの間でも、調査によっては8割が憲法改正を望んでいるといいます。ただ、9条については、過半数の人がまだ改正の必要なしと考えているのが現状のようです。自民党では、憲法改正プロジェクトチームが6月15日に論点整理を出し、そのあと憲法改正草案のたたき台を出してきました。これは、参議院を軽視しているということ、安全保障について自衛隊制服組幹部の話を聞いているということで撤回されましたが、方向性としては、6月に論点整理を出してきたときから変わらず、きわめてはっきりしています。
憲法を改正するという場合、条項を個別的に改正するのか、それとも総体としての憲法について全面改正するのかという点は、決定的に重要な点です。条項の個別的改正というのは諸外国にも例がありますし、日本においてもありうる選択肢なのですが、自民党は全面改正をしたい。その際、国民投票をどうするかということも争点のひとつとしてあがってきます。
自民党案にある9条を中心とした安全保障に関しては、1項については、これを変えると露骨に戦争をするのかということになるから維持することにして、2項については変えたい。現に自衛隊がありますし、それが「国際貢献」その他の活動をしているのだから、「自衛軍」保持を明確にし、個別的および集団的自衛権を明確にするという内容です。これらは予想の範囲内でした。
ちなみに、日本国憲法の特徴として「平和主義」が必ず挙げられますが、1項の戦争放棄については、必ずしも日本国憲法独自のものではなくなってきています。韓国の憲法にも、侵略戦争放棄を謳っていますし、不戦条約など国際的にもその流れがあったわけです。だから、1項を残すのみでは、日本国憲法は特別に平和主義を掲げる憲法とはいえず、普通の憲法になってしまいます。もちろん、この改正に対して私は反対していまして、2項も維持すべきだと思います。……


投稿者 管理者 : 2005年01月25日 00:30

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