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2005年01月27日

来年4月開学目指す札幌市立大 学長選考タイムリミット

北海道新聞(1/26)

 二○○六年四月の開学を目指す札幌市立大学(仮称)の学長予定者選考の「タイムリミット」が、迫っている。札幌市は北大大学院経済学研究科長・学部長の内田和男教授の起用方針をいったんは固めていたが、二十一日の記者会見で上田文雄市長は方針転換を表明し、学長選びは白紙に戻った。市は「候補はまだいる」と強調するが、二転三転の大混乱の中、意中の人物がすんなり引き受けてくれるのか不透明だ。

 「『内田さんで動いている。市長も了解している』と、市から説明を受けたばかりなのに…」

 札幌市議会のある議員はこういぶかる。市議が説明を受けたのは十七日。それからわずか四日後に「要請はないし、今後もない」(上田市長)と方針が転換されたからだ。

 内田教授は○一年に発足した「市立高等専門学校・高等看護学院の大学化懇話会」の時代から大学構想にかかわっており、○三年に大学設置準備委員会が設置されると同時に委員長に就任。これまでの論議を熟知していることなどから、市は起用方針を固めていた。

 内田教授の専門がマクロ経済ということを指し、「デザインと看護の融合というテーマを持つ大学を、専門外の人に任せて大丈夫か」との声もあった。しかし、デザインと看護の融合は、産業界との連携ができてこそ実現するだけに、「産業界にパイプを持つ内田教授はうってつけ」と、議会内でも大方は歓迎の意向を示していた。

 市は「正式な要請はしていない」ことを盾に、断念した経緯に口をつぐんでいる。ただ、関係者の一人は「内田教授から明確に断られたと聞いている」と打ち明ける。

 背景にあるのは、内田教授以前に就任を要請していた福祉工学系の研究者の存在。初代学長への就任が内定していた名古屋市立大大学院の川崎和男教授が昨年八月に辞退してから、市は「川崎氏のイメージを払しょくできる人物を」と、北海道にも縁のあるこの研究者に狙いを絞った。

 市は粘り強く要請を続けたが、この研究者は研究活動が半ばということもあり固辞。昨年末に断念した経緯がある。

 問題は、この研究者に要請していた経緯が、準備委員長である内田教授に詳しく知らされていなかったこと。その上、要請の経緯が部外者に漏れていたことを知り、市側の情報管理のあり方に疑問を抱いたとみられる。

 学長選考のタイムリミットは、文部科学省に大学の設置申請を行う四月。上田市長は「候補は二、三人いる。必ず間に合わせる」と強調するが、二転三転した経緯を知ったうえで、就任要請を受けてくれるのか不透明だ。

 しかも、大学に採用されなかった市立高専の教員らが昨年十月、「採用過程が不透明」などとして職員組合を結成。一部生徒や父母の間にも市側の対応に不満が高まっており、開学に向けて解決すべき課題は山積している。

 上田市政にとって、待ったなしの状況は今後も続く。


投稿者 管理者 : 2005年01月27日 01:13

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