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2005年02月04日

国の教育ローン,全国の融資件数は約18万件、計2340億円に上る!

私大理系なら入学に75万円、在学689万円必要 ローン、奨学金 賢く使って 国のローン 1人200万円、返済10年 成績に応じ無利息奨学金も

北海道新聞(2005/02/03)

 子どもの進学を前に、入学金や授業料の工面に頭を痛めている家庭は多い。教育資金を低金利で貸し出す国民生活金融公庫の「国の教育ローン」は二月が申し込みのピークだ。大学に通わせるためにどれぐらいお金が必要なのか。教育費調達にどんな方法があるのか調べた。(八重崎聖子)
*経済的に余裕なく
 札幌市内の主婦(45)は昨年、長女が江別市内の私大に進学するにあたり、国の教育ローンで百万円を借りて入学金などに充てた。自営業の夫と長女、中学生の長男の四人暮らし。経済的に余裕はなく、年間百万円を超える授業料を払うため、奨学金も申請した。
 入学後は、長女が月八万円受け取る奨学金をためて、授業料に充てている。「奨学金は、就職した後に長期間にわたって返済を続けなければならないことを娘と話し合い、それでも進学したいというので本人の意思を尊重した」と話す。
 国民生活金融公庫総合研究所(東京)が昨年、国の教育ローン利用者を対象に調査した結果によると、受験費用や入学金などを合わせた入学費用は専修・各種学校で五十五万七千円、私立短大六十二万一千円、国公立大七十七万三千円、私大文系八十一万九千円、私大理系七十五万三千円。
 授業料や教科書代などを合計した卒業までの在学費用は、専修・各種学校(二年)二百七十二万八千円、私立短大(同)二百八十五万二千円、国公立大三百四十八万円、私大文系五百五十二万四千円、私大理系六百八十九万六千円に上る。
 これに加え、自宅外通学の場合、アパートの敷金や家財道具の購入費などで入学時に一人当たり平均四十万八千円かかっており、仕送り額(在学費用分除く)は年間百二十万円(月額十万円)だった。
 これらの教育資金が足りないという時に、保護者に融資してくれるのが国の教育ローン。学生一人につき二百万円まで借りられ、返済期間は最長で十年。金利は1・7%(二月現在)。ただし保護者の世帯の年収に制限があり、給与所得者は九百九十万円以内、事業所得者は七百七十万円以内。
 二○○三年度の全国の融資件数は約十八万件、計二千三百四十億円に上る。このうち道内は約一万件、百二十五億円。
 年収が制限を超えている人や二百万円以上借りたい場合は、民間の教育ローンを利用する方法がある。融資限度額や金利は各銀行によってさまざま。特に金利は2-5%前後と幅があり、給料の振込口座や定期預金を持っているなどの取引内容に応じて金利を優遇する銀行もある。
 一方、学生本人が借りるのが奨学金。奨学金事業を行う団体として国内最大の独立行政法人日本学生支援機構(旧日本育英会)では、本人の学業成績や親の収入に応じて無利息、または利息付き(年利上限3%)の奨学金を貸し付けている。申し込みは高校、または大学を通して原則として毎年春に行われる。卒業後、本人が二十年以内に返済する。
 また、大学によっては独自の奨学金制度を設けている所があるので、問い合わせてみるといい。
*将来に備え貯蓄を
 ファイナンシャル・プランナーの須藤臣さん(札幌)は「大学を出てもすぐ就職できる保証のない時代。できれば子どもが小さいうちから将来の進学に備えこつこつためた方がいい」と話し、《1》給料から天引きされる財形貯蓄をする《2》児童手当をそのままためる-などの方法を勧める。財形貯蓄をしていれば貯蓄残高に応じて財形教育融資が受けられるなどのメリットもある。


投稿者 管理者 : 2005年02月04日 00:46

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