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2005年02月14日

オープン・カフェ・京都自由大学、3月5日に誕生 「国際人権規約を完全実施する市民に開かれた大学」

「オープン・カフェ・京都自由大学」公式ホームページ

 オープン・カフェ・京都自由大学なる「大学」が京都に誕生する。この大学のミッションが何よりも斬新で気に入った。2006年問題や国立大授業料など高等教育費が問題となっているなか,「自由大学は日本に存在するあらゆる大学とはまったく異なる基本的価値理念にたっています。なによりも自由大学は、国際人権規約を完全実施する、市民に開かれた大学です」(「開校アピール」より)。今後の活動を注目したい。(ホームページ管理人)

開校アピール

 日本にはおよそ1200余りの大学が存在します。大学は、これまで社会を啓蒙し、多くの専門知識を提供し、社会的に多くの人々を育て、輩出してきました。その意義を多くの人々が認めています。
 けれども、いま日本の大学は大きな曲がり角に来ています。最大の焦点は、大学の公共性の問題です。1966年に国連で採択された国際人権規約・社会権規約は、第13条第2項cで「高等教育は、すべての適当な方法により、特に、無償教育の漸進的な導入により、能力に応じ、すべての者に対して均等な機会が与えられるものとする」と述べています。
 ところが、日本の大学は、例外なく、戦後一貫して学費を値上げしてきました。学費値上げは、給料や物価の上昇よりもはるかに急速で、大幅なものでした。このために日本のすべての大学は国際人権規約に違反している、ということにならざるをえません。
 国連は徐々に高等教育を無償化するよう呼びかけていますが、日本政府はぎゃくに学費をどんどん値上げしていこうとしています。規約採択以降の約40年のあいだに、日本の大学が歩んだ道と国際社会が歩もうとする道は大きく食い違い、まったく反対の方向へ行ってしまったのです。
 ここに新しく開設するオープン・カフェ・京都自由大学(以下自由大学と略記)は、以上のような反省をふまえて出発します。自由大学は日本に存在するあらゆる大学とはまったく異なる基本的価値理念にたっています。なによりも自由大学は、国際人権規約を完全実施する、市民に開かれた大学です。
 三条御幸町を少し下がったところに、京都三条ラジオカフェがあります。ここを拠点に、個性的かつ魅力的な講師陣が、金、土曜日の夜、ヴォランティアで話し、自由なディスカッションをします。
 自由大学が、世界と京都の平和・自由・民主主義の前進を応援できればとても嬉しく思います。

 オープン・カフェ・京都自由大学 学長 益川敏英
                副学長 神谷雅子
                副学長 徐 勝

「Open Cafe 京都自由大学開校を祝う」 益川 敏英学長
ヴォランティアでネットワークをむすぶ魅力的な講師陣
オープン・カフェ・京都自由大学 運営の理念と方法

新聞報道は,下記の「続きを読む」へ

新たな文化空間創出めざす 「京都自由大学」3月開校へ

京都新聞(2/10)

「京都自由大学」の構想を語る益川教授(中央)ら(10日、京都市左京区・京都大)
 素粒子論の第1人者として知られる益川敏英・京都産業大教授やアート系映画館・京都シネマの神谷雅子代表ら、京都ゆかりの学識者や文化人47人が今年3月、市民向けの学習の場「オープンカフェ・京都自由大学」を京都三条ラジオカフェ(京都市中京区)で開校する。益川教授らが10日、記者会見で構想を発表した。一方通行の講義でなく受講者との対話を重視した新しい文化空間を目指す。

 講師は、徐勝・立命館大教授(人権論)や池内了・名古屋大教授(宇宙論)、大山一行・同時代ギャラリー代表(メディア論)、末川清・立命館大名誉教授(ドイツ近代史)ら多彩な顔ぶれが特徴。全員ボランティアで務める。

 大学の現状に危機意識を持つ人々が互いに呼びかけ実現した。「平和・自由・民主主義の前進」を理念に、校名には既存の大学へのアンチテーゼを込めたという。

 学長となる益川教授は「参加資格はなく、自由な議論を大切にしたい」、徐勝教授は「教壇からでなく同じ高さで語りたい」と意欲をみせる。

 講義は毎週金、土曜の午後7時から2時間。定員30人で年間82回開講。受講費は資料代などで1回1000円(学生500円)。講義のプログラムは、京都市下京区のひと・まち交流館などで配布するほか、ホームページ(http://www.k2.dion.ne.jp/~ockfu/index.html)に掲載。申し込み、問い合わせは自由大学の竹内真澄事務局長Tel:075(332)5815。


投稿者 管理者 : 2005年02月14日 00:57

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