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2005年02月15日

東京私大教連、NHK番組改変問題の徹底的な真相究明を求める声明

東京私大教連
 ∟●NHK番組改編問題の徹底的な真相究明を求める声明(05年1 月28日)

NHK番組改変問題の徹底的な真相究明を求める声明

2005年1月28日
東京私大教連中央執行委員会
(東京地区私立大学教職員連合)

 日本放送協会(NHK)が2001年1月に放送した、女性国際戦犯法廷を取り扱った特集番組「問われる戦時性暴力」の改変問題が波紋を広げている。
 事の発端は番組改変問題を取り上げた1月12日付朝日新聞記事と、翌13日に行われた当該番組の担当プロデューサーであった長井暁氏による内部告発の記者会見である。いずれも、安倍晋三内閣官房副長官(当時、現自由民主党幹事長代理)と中川昭一衆議院議員(当時、現経済産業大臣)が放送前にNHKに政治的圧力をかけ番組を改変させた、と告発している。
 当該番組の改変が行われたこと自体は、実際に安倍氏らと会ったとされるNHK幹部も認めている。問題は政治家による圧力があったか否か。仮に政治的圧力があったとして、その結果当該番組の改変が行われたか否かである。この点についてNHK幹部と安部氏らはともに政治的圧力の存在を否定しており、朝日新聞記事と長井氏の主張とは真っ向から対立している。
 この間の報道を通じて、①NHKに国会対策担当の職員がいる、②国会議員に予算および事業計画を説明する際、担当局長が役員を同行させている、③事業計画の説明等に付随して今後放送される番組の説明を行っている、④上記②および③は通常行われており、業務遂行の範囲内である、⑤当時、NHK幹部は自由民主党の国会議員でつくる「日本の前途と歴史教育を考える議員の会」幹部の下村博文衆議院議員や古屋圭司衆議院議員などにも放送前に会い、当該番組の説明をしていた、ことが明らかになった。これらの事実は、NHKと政権党内の一部有力議員との癒着を如実に物語るとともに、当該番組は言うに及ばずNHKの番組全般に政治的圧力がかけられてきた疑いを抱かせるものである。
 日本国憲法第21条は、「一切の表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてはならない」と定めている。また、放送法第3条は、「放送番組は、法律に定める権限に基く場合でなければ、何人からも干渉され、又は規律されることがない」と定めている。さらに、昨年発覚した一連の不祥事を受けて制定されたNHK倫理・行動憲章は、「外からの圧力や働きかけに左右されることなく、みずからの責任において、ニュースや番組の取材・制作を行い、豊かで質の高い放送番組を提供します」と謳ってもいる。
 これまでに明らかになった上記事実だけを見ても、放送前に当該番組の説明を政権党の一部有力議員に行っていたNHKの姿勢は、放送の自律を定めた放送法の精神に背き、自ら定めた倫理・行動憲章に明確に違反すると言わざるを得ない。NHKは厳格に倫理・行動憲章にしたがい、政権党の一部有力議員との癒着を断ち切るべきである。同時に、事は放送の不偏不党、公正、中立の根幹に関わる重大な問題である。憲法と放送法に明確に違反する公共放送に対する政治的圧力があったのか否か。仮に政治的圧力があったとして、その結果当該番組の改変が行われたか否か。私たち東京地区私立大学教職員連合(東京私大教連)は、国会が事の重大性を深く認識し、徹底的な真相究明を早急に行うよう要求するものである。


投稿者 管理者 : 2005年02月15日 00:48

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