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2005年02月03日

女性教官増へ環境整備 東北大 比率20%目標

河北新報(2/02)

 女性の割合は教授3.2%、助教授5.3%(昨年11月現在)―。他の国立大と比べても女性教官が少ない東北大は、割合を20%に引き上げることを目標に、女性が研究を続けやすい環境づくりに乗り出す。第1弾として4月、多忙な研究活動と子育てを両立できるようにと、川内キャンパス(仙台市青葉区)に保育所を開設する。

 隣の山形大の女性比率は教授6.3%、助教授10.6%で、東北大はその半分。その山形大も私立大と比べれば高くはなく、東北大は極端に少ない。
 昨年、各課程の修了者に占める女性の割合はグラフの通り。学生では博士でも16.5%と比較的高いのに、助教授以上の教官となると極端に下がる。

 博士修了時は研究者として生きていくか決断を迫られる時期で、しかも結婚を考える時期と重なるケースも少なくない。文系学部で助手を務める既婚女性(32)は「研究者と母親の2役を両立させるのは難しいと、研究の道をあきらめる女性が多い」と証言する。

 この女性の場合、夫の両親に子どもを預けられる環境にあるが、一般には「昼夜続く研究と母親の役割を両立させるのは厳しい」。そのため「先輩には独身者が多く、結婚しても子どもを産まない女性が目立つ」という。

 保育所の設置は状況を改善するための最初の取り組み。教官や職員だけでなく大学院生も利用でき、収容人員30人。利用時間は午前7時から午後8時まで。土曜日も利用でき、受け入れ態勢はかなり充実している。

 東北大総務課は「忙しくて子どもを産めない先輩の姿を見て、結婚を機に大学を去る傾向もある。学内に保育所があれば仕事の合間に子どもを見に行けるし、少子化にも一石投じられる」と期待をかける。

 研究の質の面でも女性の増加に期待する声が多い。大学院文学研究科の小林隆助教授は「うちの研究室では、子守歌の研究など男性には気が付かないテーマに取り組む人もいる。女性は子育てや家事など生活に密着した分野を研究する傾向があり、男性研究者の視野も広げてくれる」と話す。

 学内では「工学分野でも生活に密着した研究が出てくるかも」「女性がいると研究室が活性化する」など、さまざまな期待が広がっており、大学では第2弾の取り組みも模索していく。


投稿者 管理者 : 2005年02月03日 00:58

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