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2005年02月22日

東京都・都立大:上 都庁職員ら招き公務員対策(就職力)

朝日新聞夕刊(2/21)

 03年度の卒業生(一部)のうち、公務員が75人と就職者全体の2割を占めた。最多は東京都の12人。中央省庁や東京地裁などもある。
 丸山雅代学生課長は「公務員対策に特に力を入れているのではない。学内全体の積み重ね」と話す。同課で就職支援の担当職員は2人。年約30回の就職行事があるが、公務員対策は毎年7月と3月の試験対策講座と、11月の公務員採用説明会がある程度。他大学より特に多いわけではない。
 その中で、公務員志望者を支えてきた一つが法学部の講義「都庁の仕組みと仕事(前期)」「官庁の仕組みと仕事(後期)」だ。全学部生が受けられる講義で、10年前に始まった。
 オムニバス形式で毎回、都庁職員や中央省庁の職員が登壇。今年度は都から12人、中央省庁から11人が各自の組織や政策課題を話した。「どんなやりがいがあるのか」「どんなキャリアが必要か」といった説明もあり、実践的だ。
 講師役は単なる事務系職員だけではない。都からは今年度、警視庁や多摩動物公園、都議会事務局など様々な職員が招かれた。「公務員の仕事に固定観念を持たせないように」と担当する野上和裕教授らで幅広く人選した。
 公務員になるには試験合格後の対策も重要だ。官庁や各部署を回って志望先を絞りつつ、面接を受ける。「受講した学生は公務員の具体的なイメージが描ける」と野上教授。都と教授陣との結びつきから、都庁や都の事業所を訪ねるゼミもあり、公務員志望者の助けになっている。
 就職希望者全体に対しては、同大OBの元証券マン2人が就職相談員として、企業研究をサポート。内定者が「就職活動アドバイザー」となる取り組みも4年前から始まった。今年度のアドバイザーは20人。11月から3月まで講義の空き時間を利用して、相談に応じる。
 同大など4校に及ぶ都立の大学・短大を統合した「首都大学東京」が4月に開学する。新大学でも都立大の就職支援策は生かす方針だ。丸山学生課長は「現在の支援で基本的なメニューはそろっている。新大学でさらにきめ細かくしたい」と話している。
 (古源盛一)
 ●こんな大学
 49年、旧制都立高や都立工業専門学校など6校を母体に発足。91年に目黒・世田谷から八王子にキャンパス=写真=を移転した。人文、理、工、法、経の5学部の一部と二部で計約4800人。都市問題や都民生活に関係する講座があるほか、学内には国内の植物分類学を築いた故牧野富太郎の植物標本約40万点を収蔵した牧野標本館がある。
 ◆2004年春の就職実績
 ◇04年3月卒業 東京都(12)▽東京国税局(4)▽住友不動産販売、警視庁(3)▽NTT東日本、NTTデータ、時事通信社、東京海上、ホンダ、三菱自動車、財務省、国土交通省、社会保険庁、横浜市(2)など
◇就職率90.4%(一部のみ、就職希望者に対する内定者の割合)<カッコ内は人数、同大調べ>


投稿者 管理者 : 2005年02月22日 00:55

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