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2005年02月24日

自由法曹団、「憲法改正国民投票法案」等に断固反対する決議

自由法曹団
 ∟●「憲法改正国民投票法案」等に断固反対する決議(2005年2月19日)

「憲法改正国民投票法案」等に断固反対する決議

1 自民党・公明党は、与党協議会において、「憲法改正国民投票法案」と国会法「改正」案を、今国会に提出する方針を固めたと伝えられている。この法案の内容は、憲法調査会推進議員連盟で作成した「法案骨子」をベースにしたものになるという。
2 これらの手続法案は、わが国を「戦争する国家体制」にするための憲法「改正」に向けられていることは明らかである。小泉内閣は、イラクに自衛隊を派兵し、無法なアメリカの戦争に加担し、今も加担し続けている。昨年には、国民を戦争体制に組み込むための「国民保護」法制を成立させ、さらには、海外派兵を自衛隊の本来任務とする自衛隊法「改正」や海外派兵を恒久化する法案まで準備している。
 自民党は、昨年11月、党憲法調査会において、「憲法改正草案大綱」を発表した。この「草案大綱」は、軍隊と海外派兵を公然と認める9条改憲を眼目とし、人権保障のために国家権力を拘束するという憲法の基本を投げ捨て、国防と公共の名の下に国民の生活や権利を制限する内容になっている。そして、この「草案大綱」が今後の「改憲」論議の事実上のたたき台として位置づけられているのである。
 自民党は、翌12月、小泉首相を本部長とし、保岡・党憲法調査会長を事務局長とする「新憲法制定推進本部」を発足させ、「戦争をする国家体制」づくりに向けて全党を挙げて取組む策動を開始した。アメリカのアーミテージ前国務副長官が公言しているように、目米の一体的な軍事行動を具体化する上で憲法9条が邪魔になっている。今回の「憲法改正国民投票法案」等は、わが国を本格的に「戦争する国家体制」に構築するための「はしご」として掛けられるものにほかならない。
3 準備されている手続法案は、憲法「改正」案の内容を国民の目から遠ざけ、また、国民の意思を反映させないための意図的な仕組みをもっている。
 憲法の「改正」点が複数にわたった場合に、各項目ごとに「改正」案を提案するのか、全体を不可分のものとして「改正」案を提案(ワンパッケージ方式)するのか。今回の「法案骨子」は、この点に触れず、「別の法律の規定による」ものとし「ワンパッケージ方式」に道を開いている。「ワンパッケージ方式」によれば、個々の「改正」点についての賛否を判断する国民の権利が奪われることになり、国民の意思は著しくゆがめられる。さらには、「改正」案の承認に必要な国民の「過半数の賛成」の要件について、無効票をのぞいた「有効投票数」の過半数とし、「改正」案の承認にとってもっとも緩やかな基準を採用している。また、国会の「改正」案の発議から国民投票までの期問が短すぎ(30目以上90目以下)、「改正」案についての国民的議論の期問が保障されていないこと、公務員、教育者、外国人に対する国民投票運動が禁止されること、新聞雑誌や放送事業者に対する報道の自由が不当に制約されること、18歳以上の未成年者の投票権を認めないことなど、看過しえない様々な問題を指摘できる。
 しかも、この国民投票法案についての国会での審議を憲法調査会で行うことができるとする国会法「改正」案をも国会に提出するという。調査目的に活動が限定されている憲法調査会に議案提案権まで付与するものであり、それ自体重大な問題である。
 このように「法案骨子」に示される改憲推進勢力の意図は、国民の意思をゆがめてまで、憲法の改悪を実現しようとするものであって、平和を愛する国民に対する重大な挑戦であるといわなければならない。
4 自由法曹団は、憲法改悪を目的とする「憲法改正国民投票法案」等に断固として反対し、広範な人々と共同し、全力を挙げてその成立を阻止する決意である。

2005年2月19目

自由法曹団常任幹事会

投稿者 管理者 : 2005年02月24日 01:22

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