個別エントリー別

« その他大学関係のニュース | メイン | 「意見広告の会」、今後の国会活動 »

2005年03月07日

4月から「標準授業料」1万5000円上げ――国立大、揺れる決断

日本経済新聞(3/05)

 今年四月からの授業料を巡り、国立大学法人が揺れている。昨年末、政府が国立大授業料の基準となる「授業料標準額」を一万五千円引き上げることを決めたため、大半の大学はこれに従い値上げを決めたが、一部は据え置きを決断。結論を出していない大学もある。金額の差はまだわずかだが、これまでの横並びが崩れ始めた。
 昨年四月の法人化で、各国立大は標準額をベースに授業料を自由に決められるようになった。しかし、国から受け取る「運営費交付金」は標準額通りに授業料を徴収するとの前提で算出されるため、大学側の判断で授業料を標準額より安くすれば、その分減収になる。
 京都大、大阪大、北海道大などほとんどの国立大は昨年十二月から今月にかけ、標準額通りの値上げを決めた。しかし、私大との“学生争奪戦”を意識して、据え置く動きもある。
 東京大は大学と大学院修士課程について一万五千円の値上げを決めたが、博士課程は据え置きに。ホームページで佐々木毅学長は「博士課程は親の収入に頼らない学生が多く、授業料が上がることは学問への志を断ち切る危惧(きぐ)がある」と説明しているが、ある東大幹部は私大大学院との競争を指摘する。
 「私大の授業料を初めて調べたところ、大学院は国立大並みに安くしている大学が多かった」(東大幹部)。据え置きで約七千六百万円の減収になるが、「優秀な学生を私大に取られないよう値上げを踏みとどまった」という。
 佐賀大は大学、大学院ともに授業料据え置きを決定。▽法人化後、経費を徹底的に削減▽付属病院の収益が良好で、〇五年度には収入増が見込まれる――と、減収分は補えるとしている。
 東北大、千葉大などまだ態度を明らかにしていない大学もある。千葉大の担当者は「この時期でも授業料が決まらないのは異例」と戸惑う。新入生が入学手続きする三月十四、十五日以降に値上げが決まった場合は、後期分の納入時(十月)に前期分の差額も合わせて徴収する方針だ。
 授業料が確定していない弘前大学の遠藤正彦学長は二月上旬の説明会で、「学生に負担をかけたくないが、値上げしないと研究費に大きなしわ寄せがくる」と苦しい台所事情を訴えた。出席した二年の男子学生(22)は「授業料に関心がなかったが、もっと勉強したい」と話していた。

投稿者 管理者 : 2005年03月07日 00:13

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://university.main.jp/cgi311/mt/mt-tb.cgi/809

コメント