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2005年03月10日

広大教授収賄:病院につけこむ医局、癒着の背後に医師不足-あす1週間

毎日新聞(3/09)

 広島大原爆放射線医科学研究所(原医研)の医師派遣を巡り、原医研腫瘍(しゅよう)外科研究分野教授、峠哲哉容疑者(62)が受託収賄容疑で逮捕されてから、10日で1週間を迎える。事件の裏側には、慢性的な医師不足に悩む地方の病院と、その弱みにつけ込む医局の癒着があった。【田中博子、遠藤孝康、吉川雄策】
 ◇逮捕された峠容疑者、外車4台の派手な生活/視察、同伴家族の旅費も
 広島地検特別刑事部の調べなどでは、97年9月に始まった贈賄側の北海道の病院への医師派遣は、仲介者の失そうで99年3月に一時中断。同年10月、病院の理事長(贈賄罪は時効)が峠容疑者に派遣再開を要請し、翌00年4月から再び派遣が始まった。01年5月、病院の理事長から額面100万円の小切手が峠容疑者に贈られた。
 病院関係者の話から、新たな利益供与も明らかになった。00年2月にも、病院側は派遣再開の謝礼に現金100万円を峠容疑者に渡したという。また峠容疑者が年1回程度、視察に訪れる際に数十万円を渡し、同伴の家族の旅費も負担した。峠容疑者が主宰する学会や原医研への寄付も総額1000万円以上に及ぶ。
 峠容疑者の教授就任は、89年。峠容疑者を長年知る医療関係者は「教授になってから、人が変わった」と証言する。96年には原医研所長にも就任し、医局でのワンマンぶりがいっそう高まったらしい。贈賄側の病院関係者も「確かに統率力があった。昔の医局トップの印象」などと話す。
 贈賄側の病院がある地域は、慢性的な医師不足に悩んでいる。病院関係者によると、人口10万人当たりの医師数は144人程度で、全国平均の7割程度に留まるという。病院関係者は「病院は医師の確保に必死。安定して派遣してもらえる大学の医局との関係は、何より重要だ」と説明する。
 峠容疑者は高級外車4台を乗り回し、クレジットカードの支払いも多額に上るなど、収入に比べて派手な生活ぶりが目立ったという。同地検特刑部は、病院側の利益供与の全容解明を進める。
 原医研では各部門の教授5人で作る内部調査会で医局員らから事情を聴き、事件の背景の調査を進めている。神谷研二所長は「医局派遣の密室性が事件を招いた。調査で現状を把握し、医師派遣のプロセスの透明化を図りたい」と話している。


投稿者 管理者 : 2005年03月10日 00:15

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