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2005年03月12日

山大セクハラ防止策きょう提言

朝日新聞(3/11)

 第三者委が仙道学長に

 山形大学で昨年夏以降、相次いで発覚したセクハラ事件〓表参照〓を受け、大学側が再発防止を目指して立ち上げた第三者委は10日、仙道富士郎学長への提言をまとめる。「高い倫理観を求められる教育機関」(仙道学長)がどうあるべきなのか--提言の内容に注目が集まる。

 第三者委の設立は、男性教員によるセクハラが相次いで発覚した昨年9月に、仙道学長が表明した。議長には同大理事が就き、工・人文・教育の3学部の教授と学外の有識者3人の計10人で、11月以降、月1回ペースで議論を重ねてきた。

 一連の問題では、事件の悪質さもさることながら、被害届を受けながら適切な処理をしなかった隠蔽(いんぺい)体質が学内外から厳しい批判を受けた。

 被害の訴えをうけて組織した内部の調査委員会の報告書を、当該学部の学部長が半年間も放置し、学長への報告義務も怠るなど隠蔽を疑われかねないケースもあり、大学側の姿勢について第三者委は「被害を受けた学生を教授会として組織的に救済・支援する道が結果的に閉ざされた」と厳しく批判した。

 大学には「セクハラ相談窓口」があるが、メンバーはすべて学内関係者。委員からは、民間企業ならば、もみ消しや隠蔽をさけるため、相談を受ける担当者は組織外から任命しているとの指摘もあり、大学当局も、女性教員の少ない工学部では米沢女子短大の教員に相談員を委嘱する案を示した。

 窓口や調査の各段階で、外部の目を取り入れ、被害者救済のために公平性・透明性を担保できる仕組み作りをいかに提言できるかが報告書の焦点の一つといえそうだ。

 また、セクハラ事件を起こした教員の処分でも「在職期間中に諭旨解雇相当の行為をした場合、退職後でも退職金の返還を求める」とする東京大学の教職員退職手当規則を参考に、返還の義務化も視野に検討している。

 処分を巡っては、工学部で起きた2件のセクハラ事件で、「懲戒を含む重い処分が相当」(仙道学長)にもかかわらず、依願退職させていたうえ、退職金が水増しされる勧奨扱いで退職した教員もおり、文科省からも「道義的に問題」と指摘されていた。

■昨年8月以降に発覚した山形大教員のセクハラ事件■

 発生時期 加害者     事件の内容(大学の処分)

 01年1月 人文学部教授  研究室で不快な言動を繰り返す(訓告)

    9月 教授      学会に同行させた学生のホテルの部屋に押しかける(停職)
              (学部非公表) 

 02年10月 人文学部教授  飲み会で性差別的発言。いたずらも(訓告)

 03年 7月 工学部教授   一人暮らしのアパートの部屋に押しかけてセクハラ(処分なし)

    12月 人文学部講師  食事に呼び出した学生にキスを強要(訓告)

 04年3月 工学部教授   学会に同行させた学生にホテルで相部屋を強要(処分なし)


[関連ニュース]
セクハラ防止改善策を提言-山大の緊急対策協(山形新聞3/11)
山形大・セクハラ問題:緊急対策協が改善策 大学側、5月めどに対応決定 /山形(毎日新聞3/11)
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投稿者 管理者 : 2005年03月12日 00:47

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