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2005年03月12日
「君が代」不起立の教員、今年は減少 都立校の卒業式
朝日新聞(3/11)
昨年、「君が代」斉唱時に起立しなかった教職員ら約200人が処分された東京都立高校などの卒業式で、今年は起立しない教職員が減っている。2度目は減給など重い処分につながるためで、「不起立」は数十人程度にとどまりそうだ。11日、都立高は卒業式のピークを迎える。起立か、覚悟の不起立か。教職員たちは悩む。11日現在、都立学校の卒業式は全体の5割にあたる195校で実施。東京都教育委員会は不起立の教職員数を「まだ把握していない」としているが、「『日の丸・君が代』不当処分撤回を求める被処分者の会」は10日までに10校で12人を確認した。同会は「不起立が減った理由は処分という脅しだが、そのやり方に教職員の怒りは高まっている」とみる。
「今回は、立たざるを得ない」。区部の普通科高校で国語を教える男性教員(41)は、12日の卒業式を前にそう話す。
「処分をちらつかせて少数者を排除するのは許せない」と考え、昨春の入学式で起立を拒み、戒告を受けた。
だが、今年は不起立を続ければ処分が重くなる。「我々がカードを使えるのは1回だけ。今後は校長に抗議するぐらいしかできない」
10歳年下の同僚が思い詰めていたので、「立った方がいい」と助言した。「後輩たちがカードを使う機会は、もっと先にある」と考えている。
起立しながら、抵抗の意思を示した例もある。4日、区部の普通科高校では起立した教職員の中で4人が胸に白いバラをつけた。都教委は通達で「式にはふさわしい服装で」と規定しているが、「花では処分できないだろう」と考えた。
別の高校の男性教員(42)は、まだどうするのか決めかねている。
昨春は悩んだ末、立たなかった。式の後、外国籍の卒業生に「うれしかった。先生、芯があるね」と言われた。
生徒から「君が代を歌いたくない」と相談を受けると、「それぞれの判断でいい」と助言している。生徒のことを考えると、今年も式場に入ったら立てないと思う。
一方、昨年は起立したが、今年は立たなかったという男性教員(59)もいる。
「立ってください」。3月上旬の卒業式で、副校長が小声で言ってきたが、無言のまま動かなかった。
定年まであと1年。担任として卒業生を送り出すのは今年が最後だった。「間違いだと思うことには声をあげるよう教えてきた。それを身をもって示したかった」と話す。
◇
〈東京都の「君が代」問題〉 都教委は03年10月、学校行事での斉唱時の起立などを教職員に義務づける通達を都立学校に出した。各校で通達に基づく職務命令が出されたが、教職員側は「強制はおかしい」「憲法にある思想・良心の自由を侵す」「子どもへの強制につながる」などと反発、不起立やピアノ伴奏拒否などが相次ぎ、昨年は入学・卒業式、周年行事をあわせ計約250人が戒告などの処分を受けた。2度目で減給10分の1.1カ月となった例もある。処分を受けた教職員らは起立義務がないことの確認や処分無効を求める訴訟を起こしている。
投稿者 管理者 : 2005年03月12日 00:46
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