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2005年03月29日

苦学生、不況で増える 奨学金申請「親が失業」トップ

毎日新聞(3/28)

 「苦学生」が増えている。最近、相次いで発表された大学生の生活調査の結果から、不況やリストラの余波を被る、その実態が浮かんだ。まもなく入学シーズン。合格の喜びから一転、厳しい生活を余儀なくされる学生も少なくなさそうだ。【三角真理】

 ●学費払えない

 「父が失業して学費が払えない。何か手だてはありませんか」。早稲田大学(東京都新宿区)の奨学課では、こんな相談が増えている。同課では日本学生支援機構(旧日本育英会)など200以上の奨学金制度を扱っており、学部学生約4万5000人のうち延べ約1万4000人(03年度)が受給している。

 募集は通常、毎年3月と8月の2回だが、急な事情がある学生のための特別制度もある。10年ほど前は年間の申し込みが10~20件で、理由は「親の死亡」が最も多かった。ところが、この5、6年は年間30~40件もあり、「親の失業」が理由のトップという。

 ●米3日分炊く

 全国大学生活協同組合連合会は昨秋、大学生約9600人を対象に生活実態調査を行い、今年1月に結果を発表した。それによると、下宿やアパートなどから通学する「自宅外生」への仕送りは平均8万2580円で、ピークだった1996年から約1万6000円も減少した。ここ数年の落ち込みが特に激しい。奨学金への依存度は高まり、自宅外生の月額平均は63年の調査開始以来、初めて2万円を超えた。

 この窮状の中、支出で切り詰めが目立つのは食費と教養娯楽費だ。10年前と比べると食費は約2割減の2万5360円、サークルやレジャーなどに使う教養娯楽費は約3割減の9180円で、書籍費も3割減の2660円となっている。

 調査では「米を一度に3日分炊くなど、効率的に自炊している」「電気代節約のため、大学図書館で勉強する」など、倹約に努める学生の声も聞かれた。

 ●細るスネ

 親元の台所事情も厳しい。東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連)が今月発表した、首都圏の私立大・短大に昨春入学した約6000人の保護者の家計負担調査によると、入学した年の費用は自宅外生で前年比0・1%増の309万円。これに対して保護者の年収は同5・1%減の949万1000円だった。家計への負担率は、前年の1・7ポイント増の32・5%で、東京私大教連は「深刻な家計状況がうかがえる」。新年度からの、国立大授業料の標準額1万5000円アップも追い打ちをかけそうだ。

 現役の東北大大学院生でもある脚本家、内館牧子さんは「私の周りの学生たちは学食を利用したり、ペットボトルの中身を詰め替えて持参するなど意外と堅実で、洋服にお金をかける子も少ない。お父さんたちの懐が大変なことをよくわかっていて、やりくりしているようです」と語る。


投稿者 管理者 : 2005年03月29日 00:22

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