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2005年04月02日

国立の卒業式土下座報道、「児童の人権配慮を」 東京弁護士会、本紙に要望

産経新聞(4/01)

 産経新聞の記事で、東京都国立市立第二小の児童が卒業式で国旗を降ろすよう校長に集団で迫ったかのように報道されたとして、保護者三人から人権救済の申し立てを受け、調査した東京弁護士会は三十一日までに、産経新聞社に対し「記事は必ずしも事実を伝えたものとは認められません」とした。その上で「学校の入学式・卒業式に関連する報道を行う場合は、子供の人権に十分配慮してほしい」と要望した。

 産経新聞は平成十二年年四月五日付朝刊で、同年三月の卒業式を「児童30人、国旗降ろさせる」「校長に土下座要求」との見出しで報道した。

 要望書では児童らが校長に(1)日の丸を降ろしてほしいと発言(2)掲揚の説明が事前になかったことの謝罪を要請(3)居合わせた一人が「土下座」という言葉を使用-は事実とした。だが、「約三十人が一斉に土下座による謝罪を求めたという事実までは認められない」「校長に直接向けられた言葉であると認めることはできない」などとしている。当該の記事には、約三十人の児童らが口々に一斉に集団で校長に対して土下座による謝罪を求めたという記述はない。

事実伝えた記事 産経新聞社広報部の話

「記事は確かな取材に基づいた事実を伝えたものだ。児童らのプライバシーなどについては十分配慮しており、今後ともその姿勢に変わりはない」

                   ◇
【掲載時の記事(抜粋)】
 関係者によると、卒業式が終わった後の(平成十二年三月)二十四日午後零時四十分ごろ、校庭で六、七人の児童が、澤幡校長に「校長先生は昨日、夜十二時まで先生たちと話し合った。先生みんなが(国旗掲揚に)反対しているのに、なぜ掲げたのか」「二小は四十九年間、掲揚しなかった」「式は私たちのもの。旗を降ろせ」などと詰め寄ったという。

 その後、校長と児童は屋上に向かい、同一時過ぎ、教頭の手により国旗は降ろされた。児童は三十人近くに増え、教員や保護者も現場に駆けつけた。ある教員が「子供に相談しないで国旗を揚げたのは民主主義に反する」と話すと、児童たちは次々と「基本的人権や憲法に反する」「多数決で決めるのが民主主義」などと校長を非難した。

 さらに、この教員が「子供たちは自分たちの作り上げてきた卒業式を勝手に変更したことを怒っている」と言うと、児童は興奮し、涙ながらに「謝れ」「土下座しろ」などと校長に謝罪を求めた。校長は「つらい思いをさせて悪かった」などと謝ったという。

 さらに、児童が「戦争で多くの人が死んでいる」「国旗国歌法は、一部の人が勝手に決めたもの」などと訴える場面もあった。式中にも卒業生が将来の夢を語る場面で、「校長先生に望むのは、子供の意見を聞ける校長になってくださいということ」と話す児童もいた。多くの教員から大きな拍手が起こったという。


投稿者 管理者 : 2005年04月02日 00:09

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