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2005年04月08日

横浜市立大教員組合、「学則の問題点 自律的・民主的な大学運営制度を求める」

横浜市立大学教員組合
 ∟●横浜市立大学教員組合週報 組合ウィークリー(2005.4.6)
大学改革日誌(永岑三千輝教授)-最新日誌(4月6日(2))

学則の問題点
 自律的・民主的な大学運営制度を求める


 4日、新法人および研究院に関するそれぞれの教員説明会が行なわれ、法人組織の説明が行なわれ、また、国際総合科学部の第1回教授会が開催され、ようやくここに新法人のもとにおける大学機構と学則が明らかになりました。
 新学則の定める大学機構のありかた、特に教授会の位置づけには、大学自治と民主的運営の観点から、大きな問題があるので、ここでとりあげます。

学則の制定プロセスの問題性

 学則は、4月に発効するまで、その原案は一般の教員には示されていませんでした。大学の組織のありかたを決める学則が、このようにいわば秘密裏に、改革推進本部内部で決定されてしまったというプロセス自体に問題があります。
 本学の独立法人化の根拠法は、地方独立行政法人法ですが、同法が可決されたさいに国会が付した附帯決議は、「独立大学法人の定款の作成、総務大臣及び文部科学大臣等の認可に際しては、 憲法が保障する学問の自由と大学自治を侵すことのないよう、大学の自主性、自律性が最大限発揮しうる仕組みとすること。」としています。
 附帯決議は、法の適用に際して十分に尊重されなければなりません。
 今回の学則制定のプロセス自体、大学の自治を侵し、大学の自主性・自律性を無視するものといわざるをえません。

教授会

 新学則は、教授会の審議事項について、第77条において次のように定めています。

 学部教授会は、以下の事項を審議する。
  (1)入学、進級、卒業、休学、復学、退学、除籍、再入学、転学、転学部、転学科、留学、学士入学等学生の身分に関すること
  (2)学部運営会議から付議された、その他学部の教育に関すること

 教授会には、人事権、学則の制定、改廃、カリキュラムの改変など大学の重要事項に関する審議権があったのですが、新学則においては、それが学生の身分に限られてしまっています。学部の教育に関する事項すら、「学部運営会議」が付議することを決定しなければ、教授会が審議することもできないことになっています[注1]。
 学校教育法第59条は「大学には、重要な事項を審議するため、教授会を置かなければならない。」としています。重要事項の大部分について、教授会の決定事項としないはおろか、その審議事項とすらしないのは、法の趣旨に違反するものといわざるをえません。たとえ学則が文部科学省の認可を得たものであっても、それで法的に問題がないとはいえないはずです。
 今後、このような誤った学則を修正し、大学自治のしくみを再構築する必要があります。

代議員会

 新学則は、第76条において、教授会が、代議員会を置くことを定めています。教授会の規模が大きすぎるなどの場合には、代議員会を置くことは合理的ですが、その場合、あくまで代議員会は教授会機能を代行するために、教授会が権限を委任するものであり、また、教授会の意思を十分に反映するものでなければなりません。したがって、代議員会構成員は、基本的に教授会全構成員が平等な資格で参加する選挙によって選ばれた者から成っていなければなりません。
 教授会の運営方式、代議員会に関することは、各教授会が今後、決定する事項ですから、大学の自律性と民主的運営のために何が必要か、慎重に議論されるよう、すべての教員に呼びかけます。また、学部長等、学部運営に携わる責任者には、教授会の自主的決定権を最大限に尊重するよう要請します。

自律的・民主的な大学運営制度を

 その他、任期制。年俸制、教員評価の問題とかかわる人事委員会などについては、別に論じます。
 当組合は、教員の労働条件の改善・権利の保障とともに、それと密接不可分のものとして、大学における民主主義の確立を課題としております。今後とも、大学の自律的、民主的な運営の回復を求めていきます。 注 [1]「学部運営会議」の構成は、学則では「別に定める」とのみあり(第79条第2項)、いまだ明らかではありませんが、当局説明資料においては(3月24日付け)、国際総合科学部では、学部長、コース長、共通教養長と、その他学部長の指名した教員となっており、医学部では、学部長のほかは、学科長、カリキュラム長となっています。いずれも教授会からの選出ではなく、上からの任命、指名による役職です。

投稿者 管理者 : 2005年04月08日 00:17

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