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2005年04月19日
大学の格付け
大学市場に挑むインタビュー(下)格付投資情報センターシニアアナリスト下山直人氏。日経金融新聞(2005/04/18)
少子化が健全性証明迫る
――大学が格付けを取得する意義は何か。
「大きく三つある。経営に対する外部評価、資金調達、そしてイメージアップのためだ」
「現在、格付けを取得している学校法人は他社分も含めて十九と、全体の四%ほどだが、在籍学生数では全体の約二割にのぼる。一定の役割が認められてきたようだ」
――大学を格付けするうえで事業会社の場合との視点の違いは。
「事業会社の場合は収益がどれだけあげられるかに重点が置かれるが、大学の場合、もうかっていればいいというわけではない。教育サービスの充実のために収入に見合うだけの支出をしているか、というバランスが大切だ」
――これまで格付けを取得した大学は私立だけだ。独立行政法人になって一年たった国立大学に取得の動きはあるか。
「関心を持っている法人はあるが、具体的な動きには至っていない。独法化して間もないため、いまはまだ法人という新体制を整える時期だとみている」
「ただ、国立大学法人の場合、付属病院などの収益事業では債券発行が認められているため、格付けの取得はより実需に基づいた動きになるだろう」
――大学の経営は変わってきたか。
「かつて『大学に経営はない』といわれた時代もあったが、少子化という厳しい現実に対する危機感が変革を促している。格付け取得もその表れだろう。経営破たんする大学も出てくる状況で、健全性を証明するため外部評価を受ける必要が出てきたのではないか」
「現在はまだ変革の過渡期だが、経営に対する意識の高まりが教育の質を高めようという動きにもつながっているようだ」
投稿者 管理者 : 2005年04月19日 01:18
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