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2005年05月20日

横浜市立大学、国際総合科学部第2回教授会 代議制の原則がほぼ確立

■横浜市立大学教員組合週報 組合ウィークリー(2005.5.19)
大学改革日誌-最新日誌(5月19日(2))より
学問の自由と大学の自治の危機問題、組合ウィークリー (2005.5.19))より

国際総合科学部の教授会(12日)

12日、国際総合科学部の第2回の教授会が開催されました。前回から持ち越された代議員会の選出方法について審議が行なわれました。

その結果、大学院国際総合科学研究科教授会(先月14日)の例を参照し、学部に属する7つのコースと共通教養課程から各4名、計32名の代議員を選挙によって選ぶことが決まりました。このうち、共通教養課程の代議員については、教授会において選挙を行なうことが決定され、当日の教授会において4名の代議員が選出されました。

また、すでに、教授会の決定は代議員会のものに優越すること、教授会構成員の一定数以上の要求があった場合、教授会が開催されることが決定されています。

3月に当局が示していた案では、代議員会の構成員の大部分が、指名・任命を受けた者により構成されることになっていました。当組合は、代議員会については、民主主義と代議制の原則に基づき、教授会の全構成員が平等の権利を持つ選挙を通じて選出する制度とするべきことを訴えてきました。

今回、代議制の原則がほぼ確立されたことになります。そもそも当然そうあるべきであることだったとはいえ、多くの教員の真摯な討論と取り組みによる成果といえるでしょう。

今後、大学の自治と民主主義的運営制度の構築のためには、多くの課題があります。

その一つとして、教授会に、人事・カリキュラム編成・学則改正等の重要な事項について決定権を認めないばかりか、審議権すら保障しない学則の諸規定は、学校教育法に反するものであり、その見直しを求めることが、重要な課題となるでしょう。
(関連記事:4月6日号、15日号)

■5月12日教授会については,永岑氏が下記のような記事を書いています。

大学改革日誌-最新日誌(5月13日(1))より

5月13日(1) 昨日は、国際総合科学部(教員数144名・出席120余名、委任状15名とか・・・議事録を確認する必要あり[2])があった。代議員の選出が議題となり、選挙によって各コースから4名、共通教養から4名選出されることになった。選出方法に関して議論があったが、大学院研究科の代議員選出方法(それは学部代議員選出をめぐる4月第一回教授会の紛糾を考慮した上で考案され議論され決まったものだが)が参考にされたものとなった。

共通教養も最初、「職能的」選出が提案されたが、全メンバーで選挙するという方式が最終的に取られた(選出母体としての教授会の再確認)。実質的には、立候補はなく、共通教養で選出されるべきものとして全コースにかかわる分野、すなわち、英語・数学・情報・第二語学等の諸分野の教員個人の教授会内部からの推薦があり、それが拍手多数で承認されるということになった。

「各コース・共通教養から各4名」という教授会承認の代議員数(定数)以上の推薦(立候補)があれば、当然にも選挙となるべきもので、投票用紙は準備された。私の耳には、候補として名前が挙がったなかには出ていなかった分野(全コースにかかわる分野)として「体育からも」との声が何度か聞こえてきたが、それは大きな声にはならず(あるいは無視されて?)、したがって4名の候補者ということとなり、投票用紙を利用する必要がなかった、というのが昨日の状況であった。

教授会を構成する基礎単位構成メンバー全員から代議員が選出されるという代議制の基本システムが確認されたことは大切なことだった。

今後、基礎教授会(全体会議)、基礎コース・共通教養の基礎単位での議論・審議、それを踏まえた代議員の代議員会における議論と審議と「上から」、「外部から」任命された執行部とのあいだで、諸問題がどのように処理されていくか、その処理の仕方に「大学の自治」(学問の自由)の復権・復活・再生がかかってくるといえよう。

すでに問題になっているのは、この間凍結されていたかなりたくさんの教員(ポスト)の補充であり、また予算配分問題である。これをどのように処理するかで、「上から」「外部から」の大学支配が貫徹して、大学が専門学校化するか、それとも民主的意思形成が確立し、強靭な大学に成長していけるかがかかっているであろう。


投稿者 管理者 : 2005年05月20日 00:22

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