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2005年05月13日

文科省中教審大学分科会 大学の教員組織の在り方に関する検討委員会における「助教」の玩弄について

新首都圏ネット
 ∟●《分析研究》文部科学省中央教育審議会大学分科会大学の教員組織の在り方に関する検討委員会における「助教」の玩弄について(2005年5月10日)

文部科学省中央教育審議会大学分科会大学の教員組織の在り方に関する検討委員会における「助教」の玩弄について

2005年5月10日 国立大学法人法反対首都圏ネットワーク事務局

1.検討委員会における審議過程の時系列解析

(1)はじめに
 中央教育審議会大学分科会大学の教員組織の在り方に関する検討委員会(以下、「検討委員会」)は、2003年11月13日に経済産業省別館において第1回の会合を開催して以降計12回の会合を経て、2005年1月31日に「大学の教員組織の在り方について<審議のまとめ>」(以下、「まとめ」、[1]、以下、引用する文書の出典URLは文章末尾に順に番号を付して列記する。)を公表した。「まとめ」は、学校教育法上の職名と職務内容の改定に言及し、助教授の呼称を准教授と改定するとともに、学校教育法上「教授及び助教授の職務を助ける」存在である助手の主たる職務が教育研究か教育研究の補助等か曖昧な職であったとして、自ら教育研究を行うことを主たる職務とする「助教」と名づけられた新しい職を置き、教育研究の補助を主たる職務とする「助手」と分けるものと述べている。
 この「まとめ」に基づいて、第162回国会では学校教育法の一部改正が審議される予定となっている。しかし、「まとめ」に述べられた教員組織制度設計がもつ問題点は、法律案の中に十分かつ陽には現れていないため、この問題点を条文上、見過ごす節がある。なかでも、同法改正案が構想する新たな制度の下における「助手」の職が有する制度的問題は如実であるが、それゆえ同件については本稿では触れるまでもない。むしろ同法改正案において、現行同法が第58条で「助手は、教授及び助教授の職務を助ける。」とする助手の職務規定が削除されたことをもってこれを安直に歓迎する傾向があり、「まとめ」が構想する「助教」の職務内容を精査し、その問題点を明らかにすることが同法改正案の審議に求められる。
 本稿では、「まとめ」が構想する、大学教員総体における「助教」の制限された地位の問題を、検討委員会の審議経過を追尾しながら明らかにすることを目指すものである。予め結論を述べるならば、検討委員会の審議内容は「まとめ」に十分かつ適切には反映されていない一方、「助教」の制限された地位は審議に粗暴に持ち込まれた文書が契機となって「まとめ」に記されている。この経緯は「まとめ」には陽には表れていないため、同法改正案の審議においては、法文の審議のみならず大学(院)設置基準の検討も行い、「助教」の地位の向上と保護を行わなければならない。
 なお、機種依存文字によるいわゆる“字化け”を防ぐために、引用文においては丸文字を避けるなど原文と異なる表現を行っているところがある。

(2)データセット及び解析手法
 本稿において引用し分析する資料は、検討委員会が公表する議事要旨及び配布資料、上記「まとめ」、及び2004年11月22日に検討委員会が公表した「「大学の教員組織の在り方について」(審議経過の中間的な整理)」[2]になる。
 本稿は、上記資料の中から、「まとめ」がもたらす「助教」の地位の低下が端的に表現された以下の文章の発生とその系譜、検討委員会における関連した審議内容を追尾していく。

以下,省略


投稿者 管理者 : 2005年05月13日 00:21

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