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2005年05月21日

東京大学職員組合、学校教育法一部改正案に対する反対声明

東京大学職員組合
 ∟●学校教育法一部改正案に対する反対声明 (2005.5.20)

学校教育法一部改正案に対する反対声明
 

東京大学職員組合執行委員長 佐藤比呂志

 学校教育法を一部改正する法案が国会に提出されており、現在、審議が行われています。
 この一部改正法案の中で、とくに現行の助手に相当する「助教」、「(新)助手」の職務のあり方について、東京大学職員組合としては看過できない重大な問題があると考えています。

 改正案では、大学に教授、准教授、助教、助手(新「助手」)を置くとしています。資格や職務規程から教授~助教が一続きのキャリアパスとしての教員層を形成するのに対し、新「助手」は職務規程も不明確なまま補助者として切り離されています。この新「助手」は、まさに旧国立大学における教務職員の立場と同じものであり、かつて教務職員に関しては、低賃金・無権利・「補助者」の名における差別・ポストの便宜的流用、それらの結果としての処遇上の袋小路など、さまざま問題が発生してきました。また、この法案に従えば、現行の助手が助教や新「助手」に振り分けられることになりますが、どのような基準で振り分けられるのか、また、助教へのポストと引き替えに任期制など、様々な不利な条件を強制される可能性も否定できません。

 さらに助教については、大学運営や研究・教育における方針決定への参画が法制度上認められていないにもかかわらず、その方針に基づく講義や学生指導など大学の根幹的職務を、「請け負う」立場として規定されている問題があります。このような新制度では、現行助手制度が辛うじて持っている若手養成機能が喪失することが懸念されます。

 私たちは、こうした背景から助手層を分断して、第二の教務職員問題を引き起こすとともに助教の意志や創意も大学運営等には反映させず、現行の助手の待遇改善には一切つながらない今回の学校教育法の一部改正に強く反対いたします。


投稿者 管理者 : 2005年05月21日 00:48

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