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2005年06月01日

横浜市立大、「国際化推進本部」とは一体どのような機関なのか? 

大学改革日誌(永岑三千輝氏)
 ∟●最新日誌(5/30・31)

5月31日 ボックスには、「海外出張(大学費用)」に関する「照会」なるものが、「国際化推進本部長」名で入っていた。これも、「国際化推進本部で審査を行い、派遣を決定」するそうである。「審査」の基準は何か?だれが、判断するのか?その研究教育の内容判断は?かつての海外出張審査会と比べて、どのような審査体制の変化があるのだろう?

文部科学省・日本学術振興会の諸種の研究助成において、官僚が直接審査に立ち入ることはしない。審査はあくまでピア・レヴューシステムで行われている。そうした審査システムとなっているかどうか?

そもそも、「派遣条件」が絞り込まれている。本学の「研究戦略プロジェクト事業」に採択された調査研究で、海外において研究調査を行うことが妥当なもの、だという。審査結果をみれば、それがわかるであろう。だが、その「審査」は、だれが?

そもそも、「研究戦略プロジェクト事業」の選別も、どのように行われるのか、どのような組織によるのか、かつて理学部の吉岡教授は、外部資金を獲得するような社会的評価と受けていても内部では申請の仕様のない「研究戦略プロジェクト事業」の柱立てであるということを書いておられた。「研究戦略プロジェクト事業」の選別により、多くの人は申請すらできなくなったということなのだろう。

もうひとつ可能なのは、「国際会議・国際シンポジウムの講演」で、「各分野における国際的あるいはそれに準ずる組織が運営する国際会議等で基調講演あるいは招待講演として依頼されたもの」だそうである。

一体だれがどのような会議で「基調講演」、「招待講演」を行うのだろう。興味深い。重要な国際貢献活動として注目すべきものであろう。

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5月30日 従来の在外研究に変わる制度の「平成17年度横浜市立大学教員研究者留学派遣者」の「推薦」に関わる文書がメールで届いた。研究院全体で3名という少なさ、しかも、「研究院長、病院長の推薦により、国際化推進本部で審査のうえ、派遣者を決定する。なお、推薦人数は研究院から3名以内、各病院から1名以内とする」と。

一体、国際化推進本部は、どのような機関か? 研究教育の推進という本来的使命からすれば、教育研究審議会の下にある機構であるべきだが、そうなっているか?

「審査」を行うのはいかなる体制においてか?

規則の「改定」は、今年の5月24日という。どこで、誰が決めたのか?改定に関わる審議はどこで行われたか?その議事録は?

かつてならば、教授会や評議会で審議決定すべき重要事項だが。

在外研究できるかどうかは、研究の進展にとって非常に重要であり、人によっては死活の重要性を持つ。研究の自由、学問研究の自由のあり方にも深く関わる。大学の自治の原則の元で「審査」が行われる体制でない場合、すなわち、「上から」、「外から」任命された管理職・事務職による審査決定となる場合、重大な問題となろう。民主主義的審議機関で議論しないで、決めるのは、簡単だが、それは結局は大学の自由で民主的な生き生きとした発展には結びつかないだろう、「決定権限を持つ人々」と「研究留学したい人々」とのある種のつながりだけが優先されることになろう。民主的な公明な審査が欠如する場合、大変な問題ではなかろうか?

そのような審査過程、どのような審査機関、どのような決定となるのか、注目していこう。


投稿者 管理者 : 2005年06月01日 01:06

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