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2005年06月03日

九州大学教職員組合、「有期契約職員の正職員化と任用中断日の廃止」の締結にあたって

九州大学教職員組合
 ∟●労働協約第3号「有期契約職員の正職員化と任用中断日の廃止」の締結にあたって(執行委員長談話) 05 年5月31日
労働協約第3号(平成17年3月11日)

05年5 月31 日

労働協約第3 号「有期契約職員の正職員化と任用中断日の廃止」
の締結にあたって(執行委員長談話)

九州大学教職員組合執行委員長
本 庄 春 雄

 5 月30 日、有期契約職員の正職員化と任用中断日の廃止を内容とする労働協約第3号が調印されました。この労働協約に従い、昭和55 年以前に採用された有期契約職員を対象とした新たな採用試験が行われ、7 月より、正職員への登用が開始されます。また、3 月31 日を任用中断日としてきたため、夏のボーナス計算上期間率が100%に足りず、ボーナスが一部カットされていたものが、今回の協約により100%支給されることとなりました。九大教職員組合は、このことを長年の組合運動の成果として確認すると共に、「定員外職員は定員と同じ仕事をしている」との認識に立ち同一労働同一処遇の実現に努力されてきた歴代学長を始め、今回の英断をされた労務担当理事、人事課、就業制度企画室などの関係各位に敬意を表するものです。

 運動の大きな到達にあたって、定員外職員運動をふりかえってみます。定員外職員は定員削減による要員不足を補うものとして採用され、多くが事務補佐員という職名で仕事をしてきました。定員職員と何ら変わることのない仕事をしているにもかかわらず、当初は、定員外職員として何の保障もない不安定な労働条件でした。組合は、定員化を要求すると共に、正規職員並の処遇をめざし粘り強く運動を進め、これまでにボーナス支給、年休の定員並み保障、年休の定員並み繰り越し、夏季休暇・忌引き休暇、無給ですが年間10 日間の病気休暇、などの保障を実現してきました。1979 年、文部省は、全国の定員外職員の運動に押されて俸給表2-4 の頭打ちを解消しましたが、それと同時に、定員外職員の採用抑制と長期化を防止するために期限付き3 年雇用制を導入しました。これより以降、新たな定員外の採用は3 年雇用に切り替えられ、より条件の悪いパート・タイム職員の急増(現在九大に1070 名)をもたらしました。それから24 年、定員化は進むことなく、長期定員外職員は減り続け、九大では現在130 名余となっています。

 昨年4 月の国立大学法人化に際しては、「法人化に際しては不利益変更をしない」「正職員への登用の道を検討する」との回答を得て、九州大学では、一人の首切りもなく、待遇の切り下げもなく、法人化へ移行することが出来ました。組合は、法人化以降も正職員化の実現と任用中断日の廃止を訴え続けました。組合と人事課との度重なる折衝に引き続き、05 年3 月11 日の団体交渉で、本年7 月からの正職員化と平成17 年度からの任用中断日の廃止について合意に至り、労働協約第3 号を結ぶことができました。

 25 年から40 数年にわたって、多くの長期有期契約職員が、今まで研修の機会も異動の経験もほとんどなく同一職場で働かざるを得なかったことを考慮すると、現在いる職場での正規職員化が最も望ましいことであるとする意見があります。今後は、それらの意見もふまえて、今回の協約により正職員化された者が、異動後の新しい職場に適応し力が充分に発揮できるよう一定の研修期間を設けたり、新しい職場での悩みに応えられるような体制をとったり、場合によっては、もっとふさわしい職場に異動させるなどの措置について、組合と当局との折衝が必要になると考えられます。今後の組合運動の中で検討して行きたいと思っています。

注:労働協約第3 号は、九州大学教職員組合ホームページで見ることができます


投稿者 管理者 : 2005年06月03日 01:30

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