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2005年06月17日

京都大学職員組合、「事務改革大綱」による改革作業についての声明

京都大学職員組合
 ∟●「事務改革大綱」による改革作業についての声明(2005年6月16日)

「事務改革大綱」による改革作業についての声明

京都大学職員組合中央執行委員会

 京都大学法人役員会は本年5月16日に「事務改革大綱」を了承し、それに基づき6月10日に開催された「事務改革推進本部会議」(全部局の課長、事務長により構成され、本部長は本間総務担当理事)の第1回会合において「事務改革の作業スケジュール」が提示された。「事務改革大綱」は「事務執行のあり方、事務組織、事務職員の全学配置に関し、費用対効果や効率性の観点から抜本的な見直しを行う」としている。法人化後の京都大学の事務のあり方全般に関わる重大な変化が、この6月から始まろうとしているのである。しかし、法人がなそうとしているこの事務改革については、さしあたり各部署の業務量を調査し数値化するという手法がとられようとしているが、その指標化の客観性と合理性には疑念を抱かざるを得ないとともに、より概括的には以下のような問題点を指摘しておきたい。

1.まず、すぐにでも実施可能な事務のやり方の改善はともかくとしても、「部・課・掛という組織構成のあり方を見直」すことや、より大規模「グループに統合」することを含めた事務組織の再編成までもが、「事務改革推進本部」設置からわずか4ヶ月後の本年の10月に「再編実施」するものとされている。これは目的の重大さを考えるとあまりにも性急な作業日程であり、将来に禍根を残すことになることは明らかである。京都大学法人は十分な検討期間をとって事務組織のあり方についてのグランドデザインを提示するとともに、全学的な合意を得て改革を進めるべきである。
2.上記のような作業日程では、京都大学で働く事務職員の現場の声を十分に聞くことができないことも明らかである。職場の実態をわきまえずになされる「改革」が、たとえその目的が妥当なものだとしても、成功するとはとても考えられない。現場の職員の意見を反映できるような改革の進め方に改めるべきである。
3.「事務改革大綱」は事務改革の目的のひとつに「超過勤務の縮減を行う」ことを掲げているが、現在発足しようとしている「京都大学労働時間短縮推進委員会」にはひと言の言及もなく、この委員会での協議がまったく反映されないものとなっている。この「時短委員会」が労使同数の委員からなるものであることを考えると、上記(2)の視点からも理解不可能な改革の進め方であると言わざるを得ない。この点の改善をなすべきである。
4.さらに「事務改革大綱」は「事務改革の必要性・緊急性についての教員の理解と協力も不可欠」としているが、この「大綱」自体が部局長会議へ「報告」されたに止まっている。教育研究、医療は事務職員のサポートなしでは不可能であるから、教員にとっても事務改革はきわめて重大な問題であるが、教員が行われようとしている事務改革に意見を提示することができないことは極めて遺憾である。部局の教授会などへの付議とそこで出された意見を反映させる進め方をすべきである。
 以上のように、京都大学職員組合はこの「事務改革」のやり方には大いに問題があることを指摘し、今後もこの動きを注視してゆくとともに、京都大学で働くわれわれ教職員の見解を反映した改革となるように求めるものである。


投稿者 管理者 : 2005年06月17日 00:03

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