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2005年07月19日

子どもと教科書全国ネット21、声明「栃木県大田原市教育委員会の「つくる会」歴史・公民教科書(扶桑社版)採択に抗議し、採択の撤回を要求する」

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 ∟●【声明】栃木県大田原市教育委員会の「つくる会」歴史・公民教科書(扶桑社版)採択に抗議し、採択の撤回を要求する(2005年7月13日)

【声明】栃木県大田原市教育委員会の「つくる会」歴史・公民教科書
(扶桑社版)採択に抗議し、採択の撤回を要求する

 栃木県大田原市教育委員会は、7月12日、2006年4月から市立中学校で使用する歴史と公民教科書に「つくる会」教科書(扶桑社版)の採択を決めた。
 以下に述べるように、教科書として大きな問題があり、国の内外から批判されている教科書を、大田原市教育委員会が採択を決めたのは、教科書のためではなく政治的意図による暴挙であり、私たちは怒りを込めて抗議する。大田原市教育委員会は、この「つくる会」歴史・公民教科書(扶桑社版)の採択を直ちに撤回するよう強く要求する。
 さらに、1名の教育委員が海外出張中であり、13日の教育委員会には出席できないことが明らかになっていた。地元の市民たちが、文部科学省への届け時期には十分に時間があるので、帰国を待ってから教育委員会を開催するよう要請したことを無視し、このような子どもの教育にとってきわめて重要な教科書採択を、全員の教育委員がそろわない中であわてて決定したことも重大な問題である。

 「つくる会」歴史教科書は、歴史を歪曲し、日本の侵略戦争を正当化・美化し、日本の戦争によるアジアの人びとの被害についても、また、原爆の被害者数も書いていないことに現れているように日本人の被害もほとんど書いていない。戦争の悲惨な面が何も書かれていないかわりに、「国民はよく働き、よく戦った」などと戦争を賛美している。韓国や中国など近隣諸国を蔑視し、韓国に対する植民地支配を正当化している。民衆の視点はなく、国家と天皇を中心とした歴史である。歴史学研究者からは、検定合格後も多くの誤りや不適切な記述があり、教科書としての完成度が低いことが指摘されている。
 「つくる会」公民教科書は、大日本帝国憲法を賞賛し、日本国憲法の内容を歪め、「国民一人ひとりには主権はない」と強調し、憲法改悪を推進する、改悪を先取りした内容である。「平和主義」の項目では自衛隊を無条件で高く評価し、戦争を肯定する考えを押しつけようとしている。権利よりも義務を強調し、憲法9条と対立する「国防の義務」を強調している。男女平等や男女共同参画社会を敵視し、女性の社会進出を問題視する内容である。
 さらに、扶桑社は、文部科学省の何回もの指導を無視して、検定申請図書(白表紙本)を教科書選定関係者に配布するという悪質なルール違反を行っている。また、高橋史朗「つくる会」前副会長の埼玉県教育委員就任に当たって、教科書の監修者になっていないと公然とウソをついてきた。このように、ルール違反を重ね、ウソつきがつくった「つくる会」教科書は、内容以前の問題としても、中学生に使わせるのはふさわしくないことはいうまでもない。

 大田原市教育委員会が、あえてこの教科書を採択したことは、子どもと日本の将来に重大な問題を引き起こすことになる。日本国内はもちろん、アジア近隣諸国からも大きな批判がわきあがることは確実である。私たちは、大田原市教育委員会が直ちに採択を撤回し、5名の教育委員全員で採択をやり直すことを強く要求する。

2005年7月13日
子どもと教科書全国ネット21
代表委員:石田米子・尾山宏・小森陽一・高嶋伸欣・田港朝昭・鶴田敦子・西野瑠美子・藤本義一・山田朗・渡辺和恵
〒102-0072 東京都千代田区飯田橋2-6-1 小宮山ビル201
03-3265-7606 Fax:03-3239-8590

※大田原市教育委員会に抗議と採択の白紙撤回を求める
メール、FAXを送ってください。
★抗議先
大田原市教育委員会
〒324-8641 栃木県大田原市本町1-4-1
学務課 gakumu@city.ohtawara.tochigi.jp
      TEL 0287-23-4706
学校教育課 TEL 0287-22-4149
FAX 0287-22-4485
       又は 0287-24-0468


投稿者 管理者 : 2005年07月19日 00:05

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