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2005年07月07日

北大教職員組合、拙速な教員組織の再編と任期制導入をやめ充分な学内での議論を行なえ!

北海道大学教職員組合
 ∟●拙速な教員組織の再編と任期制導入をやめ充分な学内での議論を行なえ!!

拙速な教員組織の再編と任期制導入をやめ
充分な学内での議論を行なえ!!

現在、国会において教員組織の再編を目的とした「学校教育法」の一部改正と、それによって新たに生まれる職位である「助教」に任期制を適用することを目的とした「任期法」の一部改正が審議されています(※)。衆議院での採決に合わせて北大でも、人事関係事項検討ワーキンググループが作った「本学における大学教員の職に係る方策について(案)」(2005年3月2日)が、突如提案されました。この提案は、上述の法改正にさらに踏み込んだ重大な問題を抱えています。改正案は平成19年度4月導入を予定していますが、それを前倒しにして平成18年4月導入をめざす北大案は、あきらかな法律違反である上に、拙速で学内の合意形成を軽視したとんでもないものです。
※ 6月28日現在、衆議院を通過し、参議院で審議中です。

[学校教育法と任期法の一部改正案の問題点]

 改正案では、教員の職位は現在のものから、教授、准教授、講師、助教、助手に変えることが提案されています。助教授は准教授に名称変更されるだけですが、助手は職務の大きく異なる「助教」と「助手」(これ以降「新助手」とする)に変えられます。同時に各職位の資格要件および職務の規程の変更が行なわれています。また、任期法の改正は、「助教」に条件をつけず全員に任期制を適用するとしています。

改正は以下のような重大な問題点を抱えています。

1.「助教」は授業、学生指導、および研究を行なう教授や准教授と同質の職務を行なうこととされていますが、他方で2.教授会構成員に加えることは意図されていません。このように「助教」には、授業負担等が課せられ、研究時間の縮減が生じるわけですが、それに応じた権限は与えられません。一方、3.「新助手」は、教育職に位置づけられながらも、その職務は教授、准教授、「助教」とは異なり研究教育支援(「研究教育の円滑な実施に必要な業務」)に限定されています。すなわち「新助手」は、袋小路の職務になっています。このように法案改正は、特に若手研究者の養成という点で非常に問題をもつものです。

[改正案よりもさらに重要な問題を抱えた北大案]

 北大案ではさらに踏み込み、新規採用の「助教」について、1.任期は5年を上限とし、2.再任は評価・審査の上一度だけみとめること、3.現職助手のうち「助教」に移行させる場合は審査を行なうこと、そして4.審査の基準として「博士学位を有することを原則とする」こと、5.処遇は現行の教育職基本給2級のままであるが、部局の講義だけでなく全学教育の担当が予定されていること等が提案されています。さらに重大なのは、この新規採用の「助教」への任期制の適用は、教員組織全体の任期制の適用の第一段階として位置づけていることです。

[各部局における助手層を巻き込んだ充分な充分な議論を]

 現在北大では、労務コストの削減のために非常勤講師の雇用を極力控えることが行なわれています。今回の提案は、そこで生じるマンパワーの不足を、「助教」の職務を増やすことで乗り切る狙いをもっています。そして、これを突破口にして教員組織全体の任期制の適用に道を開こうしているわけです。

 一部の部局で北大案に関する議論が行なわれています。そこで明らかになってきたのは、1.北大で独自に行なった「助手調査」がこの案の基礎にあると書いているが「助手調査」の結果が不明であるだけでなく、その関係も不明です。2.助手から「助教」と「新助手」に具体的にどのように移行するのか、そして移行の際、当事者である助手の意見聴取や異議申し立てをどのように行なうのかも不明で、具体的で大事な点は各部局にまる投げを行なうのではないかと予想されています。3.法律違反で北大案を行なうほど急いでいることの根拠も全く明らかになりません。

 組合は、教員組織の大きな改編を伴う重大な問題を含むこの案に、少なくとも1年を越えた充分な時間をとり、各部局における助手を含めた議論を行なうべきだと主張するものです。

意見募集
現在進められつつある教員組織の再編と任期制の導入(「助教」・「新助手」問題)について意見をお寄せ下さい。

北大職組は安心して働ける北大、誇りをもって働ける北大をつくるために全力をあげて運動しています。ご支援をよろしくお願いします。

北海道大学教職員組合


投稿者 管理者 : 2005年07月07日 00:18

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