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2005年08月08日

平安女学院大就学権確認訴訟問題、「意見広告の会」ニュースが掲載

「意見広告の会」ニュース296

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin@magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
*8月は事務局の都合で、本号でニュース発行を休刊とします。
 8月下旬、9月初旬頃発行を再開します。

** 目次 **
1-1 緊急ネット署名のお願い
平安女学院大学守山キャンパス就学権確認訴訟を支援する大学人の会
1-2 署名サイトの様子
同上
***

1-1 緊急ネット署名のお願い
平安女学院大学守山キャンパス就学権確認訴訟を支援する大学人の会

札幌学院大学の片山一義と申します。いつも,ニュースを配信下さいまして,ありがとうございます。

 この度,「平安女学院大学守山キャンパス就学権確認訴訟を支援する大学人の会」を結成し,8月3日から大阪高裁宛「要望書」提出のための緊急ネット署名を開始しました。このネット署名のことを「意見広告の会」のニュースで取り上げて頂きたく,メールいたしました。

 就学権確認訴訟は,2000年4月に平安女学院大学が滋賀県と守山市から33億6500万円もの公的な資金をもらって建設された「びわ湖守山キャンパス」をわずか5年で廃止し,学生たちを全員強制的に高槻キャンパスに移すという事件を発端としました。このキャンパス移転は,学生たちへの事前説明も,また充分に意見を聞くこともなく,理事会が一方的に決定し,強行したものでした。同キャンパスに通う女子学生たちの大部分は移転に反対しましたが,結局のところ今年度の4月から実施されています。これによって学生の学ぶ権利が侵害されました。
 裁判の控訴人の学生(川戸佳代さん)は,この移転問題にかかわり,昨年度から「キャンパスを守ろうの会」を結成し,地域住民も含めて約2万名の署名を集め,関係自治体や文科省にも働きかけを行ってきましたが,当の学園理事会はその願いを受け取ることもなく,また当該学生たちに会おうとさえしませんでした。その結果,しかたなく学生たちは,会の代表を原告として裁判所に提訴しました。

 この訴訟の詳しい経緯については,下記のページに書かれています。
http://university.sub.jp/shomei/bunsho1.html

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「平安女学院大学守山キャンパス就学権確認訴訟を支援する大学人の会」から大阪高裁
宛「緊急ネット署名」のお願い

 平安女学院大学守山キャンパス就学権確認訴訟は,来月の9月28日(水)に,大阪高裁にて判決が出されます。本件は,大学の全構成員自治と学生の学ぶ権利に関わる重大な裁判です。高裁でいかなる判決が下されるかは,今後の大学運営のあり方に大きな影響を与えると考えます。そこで,この度「就学権確認訴訟を支援する大学人の会」の結成しました。高裁判決まで残りわずかな日数ですが,同会が中心なって裁判所宛「要望書」提出のための緊急ネット署名を展開しています。どうか,皆様のご協力をお願いします。

■「平安女学院大学びわ湖守山キャンパス就学権確認訴訟を支援する大学人の会」ホームページ
http://university.sub.jp/shomei/daigakujinnokai.html
■ネット署名のサイト
http://university.sub.jp/1/

裁判所には以下の内容の要望書を提出致します。

平安女学院大学びわ湖守山キャンパス就学権確認請求事件に対する公正な判決を求める要望書

大阪高等裁判所 民事5部1係
大和陽一郎裁判長殿

 貴裁判所に係属している就学権確認等請求事件は,大学における学生の学ぶ権利問題に関わる重大な事件であると考えます。そこで私たち全国の大学生の学ぶ権利の保障のため教職員,学生,一般市民から以下のような要望書を緊急に提出させていただきます。これを是非お読みいただき,日本の大学の将来と学,司法権として,公正なご判断を下していただけますよう心から要望いたします。

2005年8月30日

提出者代表 

要望書

 本件就学権確認等請求事件は,平安女学院大学に通う一人の女子学生(川戸佳代さん)が卒業するまでの間,びわ湖守山キャンパスにおいて就学する権利(教育を受ける権利)の確認とその履行を求めたものです。しかし,この求めは同大学守山キャンパスで学ぶ大多数の学生の切実な願いでもありました。

 学校法人平安女学院は,2000年4月,滋賀県守山市にびわ湖守山キャンパスを設置し,4年制大学の平安女学院大学(学部は現代文化学部)を開校しました。このびわ湖守山キャンパスは,地元守山市における地域振興策の重要な事業計画(「大学を核としたまちづくり」計画)の一環として誘致を受け,滋賀県民および守山市民の熱い期待と支持のもと,総額33億6500万円もの巨額な公的資金によってつくられました。ここに通った学生たちは皆,入学する際に守山キャンパスという新しい教育環境のすばらしさを熱心に説明され,それに同意して入学しました。

 守山キャンパスは,設立経緯からして,大学と地域との連携を進めるための「地域に開かれたキャンパス」であり,住民と学生との交流を踏まえて教育が行われる重要な人格形成の場でありました。学生たちの多くは守山キャンパスを基盤に地域の人々と活発にコミュニケーションを図り,現代福祉学科と国際コミュニケーション学科という2つの学科の特性を生かして地域福祉のボランティアや市民のための語学教室を開くなど多様な地域貢献活動を積極的に繰り広げました。こうした市民との交流を通じた正課外教育活動は,学生たちの「まちづくり」に対する参画意識を醸成し,それが正課教育における勉学や教育を受ける際の問題意識,価値観の内容を豊かにして教育効果を高めました。

 しかし,学校法人平安女学院理事会は,2004年4月19日,全学生への事前の説明もなく,また正規教授会の正式な了承も取り付けずに,思うように学生が集まらないという理由で守山キャンパスの廃止を一方的に決定しました。開設されてわずか5年目のことです。しかも,この廃止に伴い1年間の猶予さえ与えず全学生の合意も充分に得ないまま,在学生を全員高槻キャンパスに強制的に移動させました。その結果,守山キャンパスがあったからこそ可能であった正課外教育を含む様々な教育実践活動,および守山市という特定のまちづくりへの参画意識から芽生えた勉学の課題,そしてその課題意識を支えた市民との人的コミュニケーションの場,すなわち教育において最も大切な人格形成を促す場があっという間に消え去りました。これは移転の進め方も含めて学生の学ぶ権利(就学権)への重大な侵害です。

 大津地裁は,本件移転統合について,「高槻キャンパスと守山キャンパスとで施設の内容に差があるとしても,それが授業や学習の提供が不能になることと同視できる程度のものと言えるような事実は見あたらない」,すなわち,高槻キャンパスは大学設置基準を満たす施設があり,教育するうえで基本的に支障がない,したがって学ぶ権利への侵害はないとの判断を下しました。しかし,この判決は,キャンパスを特定の物理的施設として狭く解釈しており,大学と地域の連携に基づく今日的な大学教育のあり方について不理解を示すものです。大学教育は,最低限の設置基準を満たす施設さえあれば,場所はどこでもよいというものではありません。守山キャンパスで受け入れた学生については,最低限,卒業まで同一の教育環境と条件を保障すべきものと考えます。

 今日,日本の私立大学は「大学全入時代」をむかえ,平安女学院大学と同様に巨額な補助金で設置されたキャンパスを廃止したり移転する事例が少なくありません。また今後,私立大学の廃校や大学の吸収・合併といった事態が進行することも大いに予想されます。もし本件のように学生への事前説明も多数の合意もないまま学生の就学条件が強制的に変更され,同時に教育の重要な機能が損なわれることについて,司法が合法と判断するならば,今後の大学経営や教育のあり方に深刻かつ否定的な影響を及ぼすことは間違いありません。私たちはそのことを非常に懸念するものであり,その意味でこの裁判は,全国の大学で教育に従事する者のみならず,大学のあり方に関心をもつ多くの市民も注目しています。

 貴裁判所にあっては,控訴人を含め多くの在学生の「守山キャンパスで学びたい」という願いとそれが不可能となった学校法人による本件移転の進め方の問題性を深く理解され,公正な判断を下していただきますようお願い申し上げます。

1-2 署名サイトの様子

平安女学院大学びわ湖守山キャンパス
就学権確認訴訟を支援する大学人の会

共同代表 福田 菊(龍谷大学元教授)
碓井敏正(京都橘大学教授)

 平安女学院大学は,2005年3月末,設置してわずか5年で「びわ湖守山キャンパス」を廃止しました。在校生の多くは移転反対もしくは同キャンパスで卒業したいと主張したにもかかわらず,全員一律に高槻キャンパスに移動させられました。これに伴う学生の学ぶ権利への侵害問題について,現在裁判所に提訴されています。
  この就学権確認訴訟は,2005年9月28日に大阪高裁で判決が出されます。私たち「訴訟を支援する大学人の会」は,緊急に以下の「要望書」を裁判所に提出したいと思います。「訴訟の経緯と意義」もご覧いただきネット署名に是非ご協力を下さい。

  (以下、直接ご覧下さい)


投稿者 管理者 : 2005年08月08日 00:16

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