個別エントリー別

« その他大学関係のニュース(主に大学別) | メイン | 文科省、2006年度概算要求について »

2005年09月05日

自由法曹団、滋賀県教育委員会による「つくる会」歴史教科書の採択に抗議する

自由法曹団
 ∟●滋賀県教育委員会による「つくる会」歴史教科書の採択に抗議する

滋賀県教育委員会による「つくる会」歴史教科書の採択に抗議する

 滋賀県教育委員会は、本年8月31日、2006年4月から県立中高一貫校である河瀬中学校(彦根市)で使用する歴史教科書として、「新しい歴史教科書をつくる会」が中心になって執筆・編集した教科書(以下「『つくる会』歴史教科書」という)を採用することを決定した。
 「つくる会」歴史教科書は、日清・日露の戦争以降の日本の戦争を、日本の防衛戦争・アジアを解放するための戦争などと美化して歴史を歪曲し、この戦争をアジア諸国に対する侵略戦争とする立場を「自虐史観」と批判するものである。これに対して、国内外から厳しい批判が寄せられている。「つくる会」歴史教科書が教科書としてふさわしくないことは明らかである。
 このような教科書を採択することは、人権と民主主義の担い手となる子どもたちの成長を考えて教科書を採択すべき教育委員会の責任を放棄し、アジア諸国との友好をも著しく阻害するものである。
 しかも、滋賀県教育委員会の「つくる会」歴史教科書の採択決定は、教職員はもちろん、学校長の意思にも反したものであり、生徒・教師・保護者・地域の意思を無視した一方的な押しつけである。また、滋賀県に3校ある県立中学校の中で1校だけに採択したことについては、全く不合理な決定と言わざるを得ない。滋賀県教育委員会が、自らの「選択基準」にしたがって、県立中学校で使用する歴史教科書としてどの教科書がふさわしいかを真摯に議論すれば、おのずと一つの教科書に絞り込まれるはずである。1校のみの「つくる会」歴史教科書の採用は、教科書採択を政治的配慮により行ったものと言わざるを得ず、言語道断の暴挙と言わなければならない。
 自由法曹団と自由法曹団滋賀支部は、滋賀県教育委員会に対して厳重に抗議するとともに、速やかに「つくる会」歴史教科書の採択決定を撤回し、学校現場、保護者、県民、教育関係者の意見に基づき教科書を採択し直すことを求める。

2005年9月1日

自由法曹団
団長坂本修
自由法曹団滋賀支部
支部長玉木昌美

投稿者 管理者 : 2005年09月05日 02:42

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://university.main.jp/cgi4/mt/mt-tb.cgi/430

コメント