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2005年09月16日

鉄建公団訴訟、判決下される

1047名の不当解雇撤回・国鉄闘争に勝利する共闘会議
 ∟●鉄建公団訴訟、判決下される

 鉄建公団訴訟の判決が本日、9月15日、13時36分、東京地方裁判所の103号法廷で下されました。
国鉄時代の採用差別に対する不当労働行為の事実が認められ、18年間の闘いの正当性は証明されました。しかし、判決は原告らが主張する国鉄清算事業団からの解雇無効や賃金相当損害額に対する請求に対しては、不十分な判決であり、到底認めることはできません。本日、原告団・弁護団・共闘会議から、以下の声明が出されました。

声   明

 本日、原告団の請求を一定程度認める判決がなされた。国鉄が原告らについて「JR北海道、JR九州の各採用候補者名簿に記載しなかったのは、同原告らが、主として国労に所属していることないし国労の指示に従って組合活動を行っていることを理由として、採用基準を恣意的に適用し、勤務成績を低位に位置づけたことによるものと認められ、不法行為と評価するのが相当であり、当該判断を覆すに足りる証拠は存在しない」と明確に指摘し、原告団の18年間の闘いが正しかったことを証明した。
 また、2003年12月22日の最高裁判決時が「時効消滅の起算点である」と認め、被告らの時効の主張を退けた。そして差別されたこと自体による苦痛、原告らが正当な評価を受けるという期待権とJRに採用されるべき期待権の侵害を認めて期待権としては比較的高額な慰謝料一人500万円の支払を命じた。原告団は、本日の判決が名誉回復の一助になると確信する。
 しかし、再就職促進法に関する法律判断を誤り、国鉄清算事業団からの解雇に対する解雇無効の主張を認めず、解雇についての不法行為も認めず、賃金相当損害金も認めないなど全般的に極めて不十分な内容である。
 また、原告らは、国鉄分割民営化に際して仕事を取り上げられ人材活用センターに押し込められるなどの差別攻撃を受け、国鉄清算事業団に収容されて人格を無視した「自学自習」という名目での無為の日々を送らされた。ところが、これらについては、判断せずに時効を認めた。その点でも不当な判断であると言わざるを得ない。
 佐藤昭一他5名について請求を棄却した点は、不当な判断として弾劾するものである。
 JR不採用から18年余り、原告ら及びその家族は、就職差別、結婚差別などあらゆる差別、偏見と闘い、苦難の道を歩んできた。18年の間に1047名の仲間のうち34名が亡くなり、この裁判を提訴してからも原告団の1名が判決を待たずに亡くなった。
 この18年間の苦難は口に出して言いあらわせるものではなく、本日の判決は到底18年間の償いになるものではない。
 しかし、原告団の意気は軒昂である。原告団の目標は、あくまでも鉄道員として地元JRに復帰することである。今後闘いの場は控訴審に移ることになろうが、第一審のとき以上に団結を強め、被告の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構、さらには同機構が全株式を有するJR北海道及びJR九州にくわえJR東日本への職場復帰を要求する。
 さる4月25日の福知山線尼崎駅付近の事故は、極限的な人減らし、安全性を無視したスピード・アップ、日勤教育と称する異常なまでの人事管理体制が背景にあり、分割民営化が安全性を一切無視した営利至上主義であることが明らかとなった。まさに分割民営化がもたらせた必然的な事故である。尼崎事故で亡くなられた107名の犠牲者に心から哀悼の意を捧げるとともに、原告団は、あくまでも国家的不当労働行為である国鉄分割民営化に反対し、必ずや鉄道労働者に復帰して二度と同種事故を起こさせないためにも闘うことを誓うものである。

2005年9月15日
鉄建公団訴訟原告団
同事件弁護団
1047名の不当解雇撤回国鉄闘争に勝利する共闘会議

[新聞報道]
旧国鉄の組合差別認定 国労のJR不採用訴訟
国労組合員のJR不採用、差別認め14億支払い命令
慰謝料約14億の支払い命令 地裁、不当労働行為認める
JR不採用訴訟:東京地裁の判決要旨
JR不採用訴訟:差別認め14億円支払い命令 東京地裁
国労への差別認め、慰謝料14億円支払い命令 東京地裁

投稿者 管理者 : 2005年09月16日 00:45

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