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2005年09月28日

立川反戦ビラ弾圧事件、第一回控訴審

法学館憲法研究所
 ∟●立川反戦ビラ弾圧・ 控訴審闘争へ

立川反戦ビラ弾圧・ 控訴審闘争へ

……

第一回控訴審

 9月14日、立川反戦ビラ弾圧裁判控訴審の第一回公判が行われた。公判に先立ち、地裁高裁前で十二時から情宣。五百枚のチラシをまききった。地裁の前は翌日の鉄建公団訴訟の判決を控え、座り込みも。遺棄毒ガス訴訟など大きな裁判もあって、終日周辺は賑やかであった。
 情宣終了後、6月20日に続き二回目の無罪判決要求署名提出行動が行われた。前回分と合わせ今回で一四一八二筆に署名は達した。
 公判では傍聴希望に公安刑事と思われる連中も三〇名以上が並ぶ。セキュリティチェックをパスする口から中へ入って行ったので、間違いないと思われるが、五〇名程度しか傍聴できないのにこれは明らかな嫌がらせではないか。桜田門が近く動員しやすいのかも知れないが、これは何とかしたい不当な妨害だ。
 公判ではまず検察、弁護側が意見を述べるが、検察側は控訴趣意書とここ二年ほどで警視庁管内でポスティングが住居侵入などで有罪とされた判例七件を証拠申請。認められた。多くは罰金刑だが、最高は懲役刑(執行猶予付き)まである。大半はピンクチラシのようで外国人が多い。だが、内容は被告氏名などが消去された状態のためそれぞれの事件全体が調べにくくなっている。外国人の不法入国など摘発のために利用された可能性もあるが、詳細がわからない。ピンクチラシでもこうした取り締まり方自体が大いに問題ではあるが、基本的には反戦ビラ事件とは関係がない判例である。次回公判で弁護側からまとまった反論を行う予定だ。検察側からは出張内容は提出した趣意書などの通り、ということで弁論はなかった。
 弁護側からは証人申請(名古屋大の憲法学者・浦部法穂さん、小池清彦さん・加茂市長)を提出したが却下。被告人の意見陳述と被告人質問は採用された。
 弁護側からは控訴趣意書にたいする全面的な反論が三〇分かけて行われた。全体としてかなり厚い答弁書が提出されていたのだが、それを虎頭弁護士が要約したものを読み上げた。そもそも控訴趣意書の方は一九ページあっても、半分近くが原判決や判例の引用で内容は極めて薄い。
 一審ではテント村の活動を「過激派」「テロ」に結びつけようとして検察側は失敗した。今回はそれに懲りてか、そういう主張を一切出さず、「テント村の活動を知らないから不安だったのだ」という切り替えを行ってきた。知っても知らなくても不安だという。矛盾した逃げの論法なのである。
 その後は被告人質問へ。それぞれ、イラク戦争と本弾圧の関係、全国ツアーを行った時の地方での感想、職場や地域で無罪判決がどう受け止められたかについて一〇分ほどの質問と答弁がそれぞれ行われた。
 しかし、またしても検察側の反対尋問はなし。これについて、見方は二つある。一つ考えられるのは、この事件は八王子地検がしくじった事件であり、高検は尻ぬぐいさせられている、どうなってもかまわないという投げやりの態度で、やる気がないという見方。
 もう一つは、高裁は検察の味方であり、放っておいても有罪判決が出るからこのまま下手な手出しはしないでいい、と楽観視しているという見方。実際、中川裁判官相手では洋書センター弾圧など公安事件で煮え湯を飲まされた口も多いらしい。
 楽観は許されないが、次回公判まで全力を尽くしていきたいと思う。
 夜は弁護士会館で報告集会が行われ、五〇名近い人々が参加。八時の時間ぎりぎりまで活発な質疑が続いた。

 次回10月3日の第二回公判で結審の可能性が極めて高い。公安の妨害を許さず、傍聴参加を訴えたい。


投稿者 管理者 : 2005年09月28日 00:08

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