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2005年10月01日

「意見広告の会」、平安女学院大キャンパス移転訴訟の記事

■「意見広告の会」ニュース302

*ニュースの配布申し込み、投稿は、
  qahoujin at magellan.c.u-tokyo.ac.jp まで、お願い致します。
迷惑メール防止のため@をatに書きかえています。アドレスは@に直して下さい。
*「投稿」の場合は、その旨を当初から明確にしていただけると、確認のための時間が
かかりません。ご氏名、ご所属等の掲載方法などもご指定下さい。


** 目次 **
1 扶桑社「つくる会」教科書に反対する意見広告の全貌
1-1 全国紙・地方紙「意見広告」一覧
1-2 一例として愛媛版
      愛媛新聞8/13
2 平安女学院大の移転訴訟
2-1 地元就学権、2審も認めず
      京都新聞9/28
2-2 「あらためて平安女学院の社会的責任を問う」2005年9月29日
      就学権確認訴訟を支援する大学人の会
2-3 控訴人川戸さんの「裁判日記」
      http://www.geocities.jp/ncgqg099/newpage29.html
3 さらに都立大学
3-1 紹介 「だまらん」最後の総長による総括:その摩訶不思議な結論を解く
http://pocus.jp/09-2005/092905-soukatsu.html
3-2 都立の大学を考える都民の会ニュース
      都立の大学を考える都民の会主催 都民の大学講座 第2回のお知らせ
3-3 都立大学附属高校『桜修館は古すぎる』 
      東京新聞9/29朝刊
4 無資格者に潜水作業・死亡、東大と責任教授を書類送検
      読売新聞 9/29

2 平安女学院大の移転訴訟

2-1 地元就学権、2審も認めず

    大阪高裁、平安女学院大の移転訴訟  京都新聞9/28
 平安女学院大・びわ湖守山キャンパス(滋賀県守山市)の高槻キャンパス(大阪府高槻市)への統合をめぐり、在学生が学校法人平安女学院(本部・京都市)を相手に、卒業まで守山キャンパスで就学できるよう求めた訴訟の控訴審判決が28日、大阪高裁であった。大和陽一郎裁判長は「守山キャンパスに特定して就学する権利を与えた契約は認められない」として、一審の大津地裁判決に続いて訴えを棄却した。

 訴えていたのは、学生有志でつくる「守山キャンパスの存続を守ろうの会」代表で、同大学4年の川戸佳代さん(22)。

 判決は、平安女学院が開学に際し、守山市や滋賀県と結んだ補助金交付に伴う契約について「個々の学生に、守山キャンパスで就学する具体的権利を与えることまでを意図したものとは言えない」との判断を示した。

 川戸さんは「非常に残念な判決。大学は、入学前に示した教育環境を4年間保障する責任があるはず」と話し、近く上告する方針。平安女学院の山岡景一郎理事長は「妥当な判決だと思う。少子化の中、キャンパス統合で運営経費を削減し、全学生が顔を合わすようになったことは好結果だ」とのコメントを出した。

2-2 声明 「あらためて平安女学院の社会的責任を問う」
     2005年9月29日
平安女学院大学びわ湖守山キャンパス就学権確認訴訟を支援する大学人の会

 9月28日,大阪高裁(大和陽一郎裁判長)にて,平安女学院大学守山キャンパス就学権確認訴訟・控訴審の判決が出された。結論は「控訴棄却」であった。大阪高裁がどのような判断からこの結論に至ったのか,判決の具体的内容はまだわからない。判決文全文が入手され次第,「大学人の会」としてコメントを出したい。ただ,現在知りうる限りでは,大阪高裁の結論は控訴人の川戸さんが提起した争点に踏み込んだものではなかったようである。近いうちに代理人弁護士から正式な形での評価を聞くことができよう。

 「就学権確認訴訟を支援する大学人の会」は,今回大阪高裁がいかなる法的な判断を下そうが,本件守山キャンパスの移転・統合において,平安女学院が控訴人川戸佳代さんを含む多くの学生に対して行った行為は,就学権の侵害以外の何ものでもないと考えている。
 守山キャンパスが開設されて以降,平安女学院の学生たちは,大学と地域との連携を進めるための「地域に開かれたキャンパス」に入学した。このキャンパスは,住民と学生との交流を踏まえて教育が行われる重要な人格形成の場であった。学生たちは,わずかな期間であったとはいえ,キャンパス設置に際して地元自治体が期待した通り,多様な地域貢献活動を展開し,地域住民とふれあうことのできる守山キャンパスという特性をもった教育の場で,自らの問題意識を育みながら学び,人格を培ってきた。これは紛れもない事実である。
 しかし,平安女学院大学は,こうした意味をもつキャンパスをわずか5年で廃止した。しかも学生に対し事前説明を一切行わず,突然に移転決定を発表し,学生を含む学内構成員の合意を充分に得ないまま,そして1年間の猶予さえ与えないで高槻キャンパスに強制的に統合し,在学生全員の学ぶ守山キャンパスを奪った。これは明らかに就学権の侵害である。巨額な補助金を受け,立派な施設として完成されたキャンパスに学生を勧誘し受け入れておきながら,わずかな期間で一方的に廃止をする,こうした無責任な大学経営は日本の大学史において前例をみない。

 「卒業するまで守山キャンパスで学びたい。」学生の大多数はそう思って存続を訴えた。しかし,平安女学院はその訴えに耳を貸そうともしなかった。それが学生たちをいかに傷つけるものであったか。その影響は計り知れない。守山キャンパスの設置から廃止・移転に至るすべての過程において,一切の責任は平安女学院理事会にある。今回,控訴人学生川戸さんの請求が高裁で退けられたとしても,一連の過程に対する大学の社会的責任まで免罪されたわけではない。

 本件裁判は,平安女学院に学ぶ多くの学生や影ながら支援する同大学教職員の精神的支えを受けつつも,「守山キャンパスの存続を守ろうの会」代表である川戸佳代さんのたった一人の奮闘によって進められてきた。控訴人川戸さんとその代理人弁護士は,今回の控訴審判決を受け,最高裁への上告も視野に入れながら引き続き活動を展開するであろう。「就学権確認訴訟を支援する大学人の会」は今後ともこの裁判と活動を支援し,大学のあり方について広く社会に訴え続けていくものである。

2-3 控訴人川戸さんの「裁判日記」

9月28日 控訴審判決
 本日、控訴審判決が言い渡されました。結果は棄却という残念な判決でした。判決内容は、地裁判決を支持するというだけで説得力を持たない手抜き判決でした。このような判決文だけでは、なぜ学生の学ぶ権利が認められないのか私には理解できません。学生は地方自治体振興の手段に過ぎないと、また判示された事に対して怒りを覚えます。その「手段」とは一体何を示しているのでしょうか。そして、一人の学生の権利よりも組織の利益が優先されることが良くわかりました。この事は、判決が力関係によって判断されたということを示しているのではないでしょうか。


投稿者 管理者 : 2005年10月01日 12:54

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