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2005年10月21日

日本労働弁護団、労働時間法検討にあたっての意見

日本労働弁護団
 ∟●労働時間法検討にあたっての意見

労働時間法検討にあたっての意見
― 労働時間規制を放棄する適用除外拡大に反対する ―

今後の労働時間制度に関する研究会
座長 諏訪康雄 殿

2005年9月30日
日本労働弁護団     
幹事長 鴨 田 哲 郎

1 はじめに

 貴研究会は、「弾力的な働き方を可能とする労働時間規制のあり方」、「年次有給休暇の取得促進」、「所定外労働の抑制」を中心的な検討事項として、本年4月に発足し、わずか半年後の12月には報告をまとめる方向で討議を重ねられている。研究会の開催要項は、「経済社会の構造変化により、労働者の就業意識の変化、働き方の多様化が進展し、成果等が必ずしも労働時間の長短に比例しない性格の業務を行う労働者が増加する中で労働者が創造的・専門的能力を発揮できる自律的な働き方への更なる対応が求められるなど、労働時間制度全般に係る検討を行うことが必要となっている。」「特に、労働時間規制の適用除外については、平成16年の裁量労働制の改正に係る施行状況を把握するとともにアメリカのホワイトカラー・エグゼンプション等について実態を調査した上で検討することが求められている状況にある。」としているが、かかる現状認識と対応の方向性は、日本経団連の主張(「ホワイトカラーエグゼンプションに関する提言」及び「規制改革要望」〔いずれも05年6月〕〕と基本的に一致している。
 しかし、労働時間問題は後記のとおり、労働時間のみならず、1人1人の労働者・生活者の日々の生活全体に直接影響するものであり、さらに今日の日本の労働者の働き方・働かされ方の実状からすれば、文字通り、「労働時間制度全般に係る」抜本的な検討が必要であることは異論のないところであるにも拘らず、研究会の方向は初めから「弾力的な働き方を可能とする」制度=適用除外の対象拡大とその弊害を緩和するための年休促進・残業抑制に限定されており、しかも極めて短期間で結論をまとめるという進行からは、いわば初めに結論ありきの危惧を免れない。
 当弁護団は、貴研究会が、現状を正しく認識し、これを改善するために必要な「労働時間制度全般」の抜本的検討を行うよう強く要請し、その検討に資するべく、労働時間制度全般にかかる検討の方向を提起すると共に、適用除外対象者の拡大には強く反対であるのでその理由を意見として述べるものである。 ……


投稿者 管理者 : 2005年10月21日 00:10

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