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2005年12月13日

北大、不当労働行為救済第3回審問(12/07)報告

北大職組
 ∟●不当労働行為救済第3回審問(12/07)報告

不当労働行為救済第3回審問(12/07)報告

官僚的対応に終始した齋藤前事務局長

 12月7日、北海道労働委員会事務局で第3回審問が開催され、被申立人(北海道大学)申請の証人(齋藤前事務局長・労務担当理事)に対する主尋問及び反対尋問が行われました。

 齋藤証人の証言内容の要旨は以下の通りです。

・ 法人化の準備は大学当局が一方的に進めたのではない。全学から寄せられたパブリックコメントに配慮して進めた。
・ 法人移行はもろもろの制度変更となり短時間では無理。ソフトランディングのため従前の制度を踏襲(給与についても給与法を踏襲)した。
・ これまで組合を無視した対応を大学がとったことはない。組合と大学当局に従前基本的対立点はなく、法人化に際しても「従前の労働条件を守っていこう」との共通認識があった。法人化になっても公務員時代と同じ対応が基本。
・ 給与原則は人勧準拠ではない。しかし、「社会一般の情勢」を考慮して決めるものであり、人勧は無視できない。
・ 財源論(財源がある、ないの議論)で給与の議論をすべきではない。財源の有無はあまり意味がない。
・ 組合は財源があるのだから手当を引き下げるなとの主張(短期的)。しかし、大学運営は中・長期的に考える必要がある。
・ 労働条件の不利益変更であるが、どっちが北大のためになるのかが重要。
・ 組合と3回交渉し、誠心誠意説明したが組合の理解は得られなかった。交渉は紳士的なものであった。
・ 役員会で結論を出してから組合と交渉したと言うが、役員会では「役員会後組合との交渉があるのでこの場で決定とはしないで頂きたい。組合との合意はむずかしいが最大限努力してもダメな場合、翌日付で給与規程を改定させていただきたい。」とお願いし、組合との交渉を尊重した。
・ 組合からの公開質問状については、これまで経験がなかったので対応が難しかった。公開質問状の内容は、「これは何なの!」と言う印象だった。外向けのアピールであり、理解できなかった。組合に直接回答はしなかったが、他からも説明要望があったので、別の形(ホームページに掲載)で職員に周知した。
・ 労基法の労使自治の原則や国立大学法人法成立時の国会における付帯決議の内容は知っている。付帯決議の「労使で十分協議して」は、当局から組合へ「申し入れしなさい」の意味ではないし、申し入れしなければならない法的義務はない。
・ 労働条件の変更について、組合への提示や説明する慣行もなかったし義務もない。こちら(使用者)から申し入れる気はなかった。こちらから申し入れなくても組合にとっても何ら支障はなかった。組合から申し入れがあればいつでも受けた。組合から財務関係資料の請求もなかった。
・ (就業規則の変更であるから提案する側から協議を申し入れるのが筋との問いに)労使協議のルールも確立しておらず、使用者が申し入れる法的義務はない。労使協定の締結が先だ。組合も使用者からの申し入れなど想定していなかっただろう。
・ 寒冷地手当引き下げ額について、弾力的に協議する幅は論理的にはあるが、実際はない。(給与法を踏襲している給与規程、「社会一般情勢の考慮」、国からの運営費交付金で大学運営がなされている等から人勧準拠ではないが人勧尊重ということか?)

 齋藤証人の証言は、労基法の労使自治の原則という文言は知っていても、それを実行する気はみじんも感じられず、公務員時代の行政組織の概念・やり方に固執し「法的義務がない」とか「独立行政法人通則法の条文に書かれてある」等を繰り返す「官僚答弁」そのものでした。
 なお、審問冒頭に申立人(北海道大学教職員組合)は、北海道大学が12月1日付で人事院勧告に沿って職員給与規程の改正を一方的に行った経緯を「追加申立」しました。
 追加申立に対する被申立人(北海道大学)からの答弁書は12月20日まで提出、来年1月末日に追加申立の取扱い・今後の進行等について協議することになりました。
 当初予定された審問は今回ですべて終了しましたが、1月末日の協議で「審問結果がいつ頃出されるか」わかるものと思われます。


投稿者 管理者 : 2005年12月13日 00:01

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