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2006年01月20日

全大教、文科省宛「人件費5%削減問題に関する要求書」

全大教
 ∟●文科省宛 人件費5%削減問題に関する 要求書(06/01/12)
全大教、 国大協宛 人件費5%削減問題に関する要望書(06/01/16)

2006 年1 月12 日
文部科学大臣
小坂憲次 殿

全国大学高専教職員組合
中央執行委員長 大西 広

人件費5%削減問題に関する要求書

 政府は12 月24 日の閣議で「行政改革の重要方針」を決定しました。
その中で、特に重要な問題は、「ウ、その他の公的部門の見直し」として、「①独立行政法人及び国立大学法人(ア) 主務大臣は、国家公務員の定員の純減目標(今後5年間で5%以上の純減)及び給与構造改革を踏まえ、独立行政法人及び国立大学法人法に基づく法人について、各法人ごとに、国家公務員に準じた人件費削減の取組を行うことを中期目標において示すこととする。(イ)各法人は中期目標に従い、今後5年間で5%以上の人件費」(注)の削減を行うことを基本とする(日本司法支援センター及び沖縄科学技術研究基盤整備機構を除く。)。これに加え、役職員の給与に関し、国家公務員の給与構造改革を踏まえた見直しに取り組むものとする。各法人の長はこれらの取組を含む中期計画をできる限り早期に策定し、主務大臣は、中期計画における削減目標の設定状況や事後評価等を通じた削減の進捗状況等を的確に把握するものとする。
(注)今後の人事院勧告を踏まえた給与改定分を除く。」としていることです。
 また、文部科学省はこの閣議決定をふまえ、昨年12 月26 日の国立大学協会会員代表者・事務担当責任者による連絡会において、上述の閣議決定の内容を説明するとともに、文部科学省として、中期目標・中期計画見直しの作業手順等を提示していると推察されます。
 この問題は、第1に、総定員法の枠外にあり、しかも、非公務員である国立大学法人等に対し、その自主性・自律性を無視して、国家公務員に準じて、人件費削減や「給与構造改革」を政府が強要していることです。
 第2に、国立大学法人等は、効率化係数や、経営改善係数により、すでに人件費削減を余儀なくされており、その上5%もの人件費削減が上乗せされれば、大学等の教育・研究に重大な支障をきたすことは必至です。
 第3に、文部科学省が、大学等の中期目標・中期計画の見直しに直接関与するとすれば重大です。国立大学法人法等関係六法案に対する国会附帯決議でも「中期目標の実際上の作成主体が法人であることにかんがみ、文部科学大臣が中期目標・中期計画の原案を変更した場合の理由及び国立大学法人評価委員会の意見の公表等を通じて、決定過程の透明性の確保を図るとともに、原案の変更は、財政上の理由など真にやむを得ない場合にかぎること。」とされています。これは、政府・文部科学省による大学への統制を排し、学問の自由と大学自治・自律性を守り、発展させる立場から全会派一致で決議されたものです。文部科学省が中期目標・中期計画見直し作業に関わるとすれば、附帯決議に反し、大学の自主性・自律性を侵す行為として到底容認されるものではありません。
 以上のことをふまえ、貴職に対し、下記の通り要望するものです。


一、国立大学法人等に対して、国家公務員に準じた5%の人件費削減を強要しないこと。

二、国立大学法人等に対て、中期目標・中期計画の変更を強要せず、大学等の自主性・自律性を尊重すること。


投稿者 管理者 : 2006年01月20日 00:46

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