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2006年03月27日

国立情報学研究所・雇止め解雇事件、日本初の地位確認を認める勝利判決

国立情報学研究所非常勤職員組合
 ∟●公務パート裁判 雇止め解雇事件、日本初の地位確認を認める勝利判決
女性ユニオン東京

公務パート裁判 雇止め解雇事件、日本初の地位確認を認める勝利判決

日本には、国家公務員非常勤職員という身分で働いている人が何万人もいます。
それらの人達は、今まで雇止めされても任用されなかっただけで、解雇でないとされ地位確認の裁判が争われても負けてきました。それが、ついに多くの敗訴の判例のつみ重ねの中で、風穴を大きく明けました。全面勝訴といってもいい内容です。
下記に、概要を載せます。詳しい情報については 女性ユニオン東京 wtutokyo@f8.dion.ne.jp
非常勤職員の労働権を認める大きな前進です。共に祝ってください。……

判決理由概要 一部抜粋

 思うに、非常勤職員と言っても、任用更新の機会の度に更新の途を選ぶに当たっては、その職場に対する愛着というものがあるはずであり、それは、更新を重ねるごとにましていくことも稀でなはいところある。任命権者としては、そのような愛着を職場での資源として取り入れ、もってその活性化に資するように心がけることが、とりわけ日本の職場において重要であって、それは、民間の企業社会であろうと公法上の任用関係であろうと変わらないものと思われる。
 また、非常勤職員に対する任用更新の当否ないし担当業務の外注化の当否については方針もあろうが、任用を打ち切られた職員にとっては、明日からの生活があるのであって、道具を取り替えるのとは訳が違うのである。
 これを本件についてみるに、国情研においては、原告ら非常勤職員に対して冷淡すぎたのではないかと感じられるところである。永年勤めた職員に対して任用を打ち切るのであれば、適正な手続きを試み、相応の礼を尽くすべきものと、思料する次第である。

 本件任用更新拒絶は、著しく正義に反し社会通念上是認しえないというべきであって、---特段の事情が認められる場合に該当するものと思料する。
 よって、任命権者たる国情研所長が原告に対して、平成15年4月1日以降の任用更新を拒絶することは、信義則に反し、許されないものといわなければならない。

 前記大阪大学図書館事務補佐員再任用拒絶事件の事案と本件を比較してみても、本件に前記事件の最高裁判決の言う「特別の事情が」を認める余地がないことは明らかであるとする。しかし、前記の事案は、日々雇用職員で4月1日から翌年3月30日まで任用予定期間とし、3月31日には公務員たる身分を保有してないことから任用の「更新」といえるか、厳密にいえば微妙な事案であり、採用から3年度目の任用予定期間の満了をもって再任用されなかったという事案であって、本件原告のように、任用更新が13回に及び、その結果通算して13年11ヶ月にわたって非常勤職員の身分を継続して保有していた事案とは異なるものである。
 したがって、最高裁判決が、当該事案の事実関係の下においてはそのような「特別の事情」があるということができないと判示したとしても、本件は事案をことにするものであるから、同一には考えられない。

[関連記事]
任用拒絶訴訟、非常勤公務員の雇用継続命じる 東京地裁
非常勤公務員、再任拒否は違法=「信義則違反」と初判断-東京地裁
「非常勤公務員の再任拒否は無効」東京地裁が初判断
[参考文献]
「国立の大学及び研究機関等における非常勤職員の雇い止め問題」に関する質問主意書

投稿者 管理者 : 2006年03月27日 00:01

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