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2006年05月16日

全大教、改憲への道につながる教育基本法改悪に反対し、国会での廃案を求める

全大教
 ∟●改憲への道につながる教育基本法改悪に反対し、国会での廃案を求める

改憲への道につながる教育基本法改悪に反対し、国会での廃案を求める

2006年5月14日
全国大学高専教職員組合中央執行委員会

 小泉内閣は、最後となる国会で改憲に道をつける国民投票法を準備し、教育の憲法に位置づけられる教育基本法の改定案を自民党・公明党の談合でつくり、それを去る4月28日に閣議決定し、国会に提出した。

 そもそも教育基本法「改正」の提案は、小渕首相(当時)の私的懇談会である教育改革国民会議の意見にはじまり、それに便乗した中教審答申(2003年3月)をほぼ引き継ぐものである。教育改革国民会議は、いじめ、不登校、青少年犯罪などを口実に学校教育の荒廃を声だかに取り上げて、その元凶として日本国憲法・教育基本法を指弾するという政治性の強いものであった。戦後教育の柱である憲法・教育基本法の人権、平和、民主の原則が望ましくないとし、その転覆を企図するものであった。その後の中教審の教育基本法改定諮問の審議において文部科学省は義務教育費国庫負担制度の分権化などもあり、それと絡めて教育基本法改定によって省益としての予算や権限を保持しようと行政権限の拡大を盛り込もむことを図った。

 提案された教育基本法案は、「豊かな情操と道徳心を培うとともに、健やかな身体をはぐくむこと」、勤労や公共の精神、国を愛することなどの「態度を養うこと」を教育の目標に規定している。これは、それぞれの個人の「権利としての教育」を基本とする現行法を「責務としての教育」に転換させるものである。

 この法案は、「日本国憲法の精神に則り」と前文に残してはあるが、自民党は改憲案を出し、日米同盟で「戦争をする国」への基軸の変更を打ち出している。この「戦争をする国」を担う人づくりへの地ならしとしての「愛国心」形成の責務を法律化するものである。日本社会の歴史を隅々まで俯瞰し、光と陰を十分にふまえた上で、それを「愛する」のは大人にとっても難しい、複雑な精神作用である。法律に書き込めばそれが可能であるかのように考えるのは幻想である。教育は薬品を注ぎ込めば決まった化合物ができる実験とは、分けがちがう。愛国教育をすれば愛国心が育つというのは、なんと薄っぺらな発想だろうか。子どもの学習要求や知的好奇心を潰してしまう「はじめに結論ありき」の教育に陥ることは分かりきっている。はたまた、愛国少年のロボットをつくろうというのか。

 教育、学問、科学技術の目的はこうした方向に歪められ、平和原則に穴が開けられ、産学連携から軍産学協同に進められることは明白である。

 第7条で大学についての条文追加があるが、目新しいものではなく、また、これによって課題である大学を含む高等教育、科学研究などの条件整備、財政の確保のきっかけになると考えることはあまりにも浅はかなことである。これはイチジクの葉であると見なければならない。こうした見せかけの条文で教育基本法改定の理由にすることは許されない。また、第16条の教育行政の改定および第17条の教育振興計画の条文の追加は、教育への国家介入を正当化するものであり、教育基本法を「教育国家管理基本法」へ変質、改悪するものである。その意味では教育基本法の充実などではなく、改悪そのものであり、有害で一利もない。

 国立大学、大学共同利用機関、公立大学、国立高専の教職員で組織する全国大学高専教職員組合(全大教)は、憲法労組連絡会に参加し、憲法改悪反対に取り組んでいる。改憲と共通の流れとしてある教育基本法改定に反対し、中立の立場を積極的にいかし、日教組、全教、日本私大教連等の幅広い教職員関係組合との共同をすすめ、諸階層に広げてこの国会で法案の廃案を求めていく決意である。


投稿者 管理者 : 2006年05月16日 00:19

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