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2006年05月29日

横浜市立大学、学長回答出る― 手続きの乱れ,認める―

『カメリア通信』第40号

学長回答出る―― 手続きの乱れ,認める――

国際総合科学部
一楽重雄

 去る5月22日午前9時から学長室で,私たち教員有志の「昇任規程とその実施過程についての質問状」(2月28日付け)に対する回答がありました.学長の他に松山人事担当課長,渡邉人事担当係長が同席し,文書による回答が出されました.その後,約一時間にわたって,私と学長および事務局の間で意見交換を行いました.

 回答の内容は,おおよそ予想の範囲で,基本的な立場はこれまでどおりです.しかし,今回の人事の進め方については問題があったことも認め,次回以降のルール作りに触れています.回答の文章から伺えるように,基本的には事務局が作成したものと思われます.

 学長との会談の中で,一点だけ重要なことがありました.今回の昇任候補推薦の事実関係について,改めて「今回推薦を見送ったコース長があったなどの事実関係は回答できないか」と尋ねたところ,「学長は学部長等の推薦結果を受ける立場であって,推薦候補の選定の過程などは学部長の責任であり,具体的なやり方は学部長とコース長の問題である」との回答でした.これは,学長が推薦の過程では口を出さないということであり,この点が明確になったことは意味があると思います.

 保育園民営化をめぐって,横浜市のやり方が違法であるとの判決が出ました.これと同様,大学の改革もまったく違法であったと思います.最初の質問事項について,回答では「大学の自治」に関してまったく触れていません.もちろん,大学の自治の観点からは,当局は論理的説明ができないわけですが,実際には「大学の自治」自身についての知識・理解さえないのではないかとも思われました.会談前の非公式のやり取りの中で,今回の改革では「教員が参加したにしても,それは,大学としてではなかった」ということを私が説明したのに対して,当局にはその意味がよく理解できないようでした.

 懇談の中で,私は,首都大学の例をあげ「実質的に人事権を教授会に戻したほうが,そちらだってやりよいのではないか」ということを言いました.学長も個人的意見ということではありましたが「各部署からの段階的な推薦を尊重し,最終的に全学的見地での判断のみに学長の人事権を使いたい」との趣旨を述べられました.

 私は,会談の最後に回答をくれたことに対してAppreciateすることを述べました.
 
 全体に私の受けた印象では,学長・事務局は,自信を持ってことを進めているのではなく,まったくの手探り状態であって,人事のルールについても,まだまだ,流動的であるように見えました.教員側の主張を明確にしていく必要があるのではないでしょうか.

 以下に,私たちの質問項目とそれに対する回答を示します.……


投稿者 管理者 : 2006年05月29日 00:01

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