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2006年05月30日

入学式の「日の丸・君が代」不当処分に抗議する声明

「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
 ∟●2006.5.26声明

報道関係者各位

入学式の「日の丸・君が代」不当処分に抗議する声明

 5月25日、東京都教育委員会(都教委)は4月の入学式での「君が代」斉唱時不起立を理由に5名の教職員(全て高校教員。減給10分の1・1月3名、戒告2名。)の懲戒処分を決定し、本日、26日、処分発令を強行した。私たちは、卒業式での33名に続く入学式での処分に満身の怒りを込めて抗議し、その撤回を求めるものである。

03年10.23通達以来、学校式典に於ける「君が代」斉唱時の不起立・不伴奏等で、昨春までに311名、05年度周年行事1名、加えて今春の卒業式33名、入学式5名、累計で延べ350名もの大量処分が行われたことになる。この事態は、石原都政下で暴走する都教委の異常性を改めて世に示している。

また、今回、都教委は「学習指導要領に基づき、適正に生徒を指導することを教職員に徹底する」とした3.13通達とそれに基づく各学校長による新たな職務命令を根拠に、「内心の自由がある」と生徒に説明した教職員に対し、「不適切な指導」を行ったとして「厳重注意」等の実質的な処分を決定した。これは明らかに憲法の「思想及び良心の自由」を否定し、教育基本法第10条が禁止する「教育に対する不当な支配」に相当する。今や、都教委の狙いが、生徒への「日の丸・君が代」の強制にあることが明白になっている。

また、昨日の都教委では、39名(周年行事1名、卒・入学式38名)にも及ぶ新たな被処分者に対する「服務事故再発防止研修」の骨子も決定した。この「再発防止研修」に関しては、被処分者に「転向・反省」を強要するものとして、昨年・一昨年の「再発防止研修」強行に際し、私たち被処分者の会は東京地裁に「執行停止」の申立を行い、「同一内容の研修を繰り返せば違憲・違法の可能性が生じるものといわなければならない」(03年7月)、「同一内容の研修を繰り返せば教職員の権利の不当な侵害にあたる」(05年7月)との地裁決定を得ている。

私たちは、今、03年周年行事、04年3月卒業式・4月入学式の「君が代」斉唱時の不起立・不伴奏などの不当処分取消を求めて東京都人事委員会で係争中である。にもかかわらず都教委は、毎年不起立・不伴奏等を理由に教職員の大量処分を繰り返しているのである。かくして都教委は、憲法・教育基本法をないがしろにするばかりか、公務員の身分の救済制度である人事委員会制度をも全く無視しているのである。

去る5月17日には、都人事委員会公開口頭審理が開催され、全都200人を超える請求人(被処分者)が団結し統一弁護団が、03年10.23通達発出に深く関与し違憲・違法な大量処分を繰り返した近藤精一指導部長(当時)・臼井勇人事部長(当時)の都教委幹部2名を徹底的に追及した。更に6月29日には、10.23通達の「徹底」を「指揮」し、直接各校長を「指導」して学校現場への「不当な支配」に「狂奔」した賀澤恵二高校教育指導課長(当時)の都人事委員会証人尋問が決定している。また、私たちは、この問題の責任の所在を明らかにするため、横山洋吉前教育長(現副知事)の都人事委員会での証人尋問も強く要求してきた。

さて、5月24日、衆議院教育基本法特別委員会が開催され、教育基本法改悪法案の国会審議が始まり、政府・与党は「今国会決着」を目論んでいる。国民投票法案も来月早々には、審議入りしそうである。共謀罪も国会審議されている。今、戦後日本の民主主義と教育は重大な危機に瀕している。教育基本法が改悪されれば、都教委の「暴走」が「合法化」されるばかりか、東京の異常な教育行政が全国に波及するのは火を見るよりも明らかである。

私たちの不当処分撤回の闘いは、憲法・教育基本法の改悪を許さない闘いと一体のものである。私たちは、都教委の「暴走」にストップをかけ、自由で民主的な教育を学校現場に甦らせ、生徒が主人公の卒業式・入学式を取り戻すため、生徒・保護者・市民と手を携えて、不当処分撤回まで闘い抜くものである。「教え子を再び戦場に送らない」ために。

2006年5月26日

「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会
 共同代表 清川 久基(前足立西高校) 星野 直之(前保谷高校)


投稿者 管理者 : 2006年05月30日 00:00

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