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2006年06月23日

九州大学教職員組合、新助手・助教への任期制導入に関する質問書

九州大学教職員組合
 ∟●新助手・助教への任期制導入に関する質問書

九州大学総長
梶 山 千 里 殿

九州大学教職員組合執行委員長
高 木 彰 彦(公印省略)

新助手・助教への任期制導入に関する質問書

 2007年4月から施行される改正学校教育法により、助教の新設と助手の見直しがなされようとしています。改正学校教育法は、助教の職務を「学生を教授し、その研究を指導し、又は研究に従事する」とし研究教育職として助手を位置づけ直すものであり、評価できるものです。

 しかしこの助教の制度化にあたり、貴職は、助教に一律に、しかも再任制限を設けた任期をつけようと検討されています。今回の学校教育法改正による教員組織変更では、何ら任期制には言及しておらず、助教を任期制とするのは九大独自の方針であります。今回の「九州大学の新しい教員組織案について(以下 第1次案)」は、助手の雇用に関わる案件であるにとどまらず、本学の教育研究の将来を大きく左右する問題であり、急激な変革による混乱や困惑を避け、全学教職員の合意と本労働組合との団体交渉によりすすめられるべきものです。

 ついては、要求書提出に先立ち、下記の質問事項に6月30日までに回答されますよう申し入れるものです。

1.第一次案から、いかなる手続きと日程を経て、九大の新しい教員組織のあり方が決定されるのですか。また、決定までの過程において、教員、特に助手が意見を充分に表明できる時間的余裕が保障され、それらの意見が尊重されるべきと考えますが、そのような措置がなされるのでしょうか。
2.助手の助教・新助手への選考は、誰がいかなる基準をもって、どのようなスケジュールで行う予定でしょうか。
3.今回の助教への任期制は、各部局の事情を斟酌し、各部局単位で導入するか否かを決定することができるのでしょうか。それとも、九大全学一斉に助教に任期制を導入するのでしょうか。
4.今回の第1次案の検討の観点に「教育研究の高度化・活性化」を第一にあげていますが、助教への任期制の導入は、助教の教育研究活動に時間的制約が加わり、中・長期的な学生・院生への教育カリキュラムが立てられなくなるなど、教育研究の活性化どころか教育研究に新たな障害をもたらすものではないかと懸念されます。再任制限を設けた任期制を導入することが、教育研究の高度化・活性化をもたらすとする根拠を具体的に明らかにしてください。
5.助教は、准教授・教授につながるキャリアパスの出発点と位置づけ、新たな任期制を導入しようとしていますが、教育研究職の国内での流動化が存在しない現実に照らせば、助教への任期制は雇用を不安定なものにするばかりで、魅力ある職として社会的に認知されないものになると考えられます。優秀な人材は九大を避けるばかりか、優秀な人材が流失することになると危惧されます。助教への再任制限を設けた任期制の導入によって、本学に優秀な人材が集まる理由はどこにあるのでしょうか。
6.現在、任期がついていない助手は、今回助教への変更にあたって、任期についての同意書を新たに提出しない限り一方的に任期付きの助教に変更されることはなく、任期なしの助教の道を選択できると解されますが、この解釈で良いのでしょうか。 また、助手から助教への選考にあたって、同意書を提出しないことによる差別取り扱いは行えないと解して良いのでしょうか。
7.現在、任期がついている助手は、再任制限はしないとの説明で現行任期制に同意した助手が大多数ですが、助教への変更にあたって、再任制限のある助教へ新たな同意書の提出なしに変更することは、法的に問題があり、信義則にも反することです。任期付き助手が、新設された助教になる場合は、本人の意思により任期なしの助教になる道を選ぶことができると考えますが、この解釈でよいのでしょうか。
8.今回の助手が助教になることで、教育研究職としての位置づけが明確になり、職務範囲も広がりその職責も高まることとなります。職務内容の高度化に応じて、給与を始め研究費などの教育研究環境の改善を図るべきと考えますが、そのような検討はなされているのでしょうか。


投稿者 管理者 : 2006年06月23日 00:03

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