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2006年09月29日

日弁連、共謀罪新設に関する意見書

日弁連
 ∟●共謀罪新設に関する意見書(2006年9月14日)

共謀罪新設に関する意見書

2006年(平成18年)9月14日
日本弁護士連合会

意見の趣旨

 政府と与党が導入を主張している「共謀罪」の規定は,我が国の刑事法体系の基本原則に矛盾し,基本的人権の保障と深刻な対立を引き起こすおそれが高い。さらに,導入の根拠とされている国連越境組織犯罪防止条約の批准にも,この導入は不可欠とは言い得ない。よって「共謀罪」の立法は認めることができない。

意見の理由

第1第164回通常国会に至る経緯と当連合会の従来の見解
1 共謀罪の創設そのものに反対してきた当連合会
 法務省は,2002年9月に共謀罪等の立法について法制審議会に諮問した。これに対して,当連合会は,2003年1月20日付で,「国連『越境組織犯罪防止条約』締結にともなう国内法整備に関する意見書」を公表している。
 その趣旨をまとめると次の通りである。

① 要綱案に示された共謀罪を新設すべきではない。
② 国連越境組織犯罪防止条約(以下,単に「犯罪防止条約」という)。
を第5条については,留保するか,第34条第2項は第5条の実施義務については「越境的な性質及び組織犯罪集団の関与する犯罪に限定することを許容しているものと解する」との解釈宣言を行うべきである。
③ 仮に国内法化をするとしても,対象犯罪を組織犯罪集団の関与する,越境的な性質を有する犯罪に限定すべきである。
 しかしながら,法制審議会はこのような当連合会の主張を無視し,同年2月に原案通り答申をし,それに基づいて法務省は法案を作成・提出したのである。

 法案は,組織的な犯罪の処罰及び犯罪の収益の規制等に関する法律の第6条の2を新設して,長期4年以上の懲役又は禁錮の刑が定められている犯罪について,団体の活動として当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を共謀する行為を共謀罪として処罰しようとするものであった(長期4年以上10年以下の懲役又は禁錮の刑が定められている罪の共謀罪は2年以下の懲役又は禁錮,死刑若しくは長期10年を超える懲役又は禁錮の刑が定められている罪の共謀罪は5年以下の懲役又は禁錮)。

 なお,犯罪防止条約は,2003年の第156回通常国会に提出され,民主党,共産党もその批准の承認に賛成した経緯がある。しかし,同条約そのものは,国内法化が完了していないため批准はされていない。……


投稿者 管理者 : 2006年09月29日 00:01

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