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2006年11月24日

APU常勤講師解雇事件、仮処分裁判での主な主張

立命館教員ネットワーク
 ∟●APU・常勤講師「雇止め」仮処分裁判での主な主張(概要)--大分地域労働組合作成

1.「1999年10月24日・日本語講習会」の重要性と「継続雇用」説明の必要性

着任予定の常勤講師には、4年後の更新の有無に重大な関心があり、 「4年後の契約があるのか、ないのか」と問合せをしていたこと。
法人としては文部省の開学認可および開学後の運営のために必要 数の常勤講師の確保が不可欠であり、内定した常勤講師の確実な 着任を必要としていたこと。
この背景の下で、10月23日の「シンポジウム」と24日の「日本語 講習会」が開かれた。案内状ではこの2つの行事が案内され、さ らに「日本語講習会」には全員参加するよう強く要請しているこ と。
旅費は、海外参加者も含めて法人が負担していることから、着任 予定者への講習・説明をする場として、法人がこの会を極めて重 視していたこと。
常勤講師が着任するか否かは継続雇用の有無次第であり、この点 は法人にとっては重大な問題であり、着任予定の常勤講師を確実 に確保するために、事前に受けていた質問に答えるという形で 「継続雇用」「希望すれば定年まで」と説明し、98年の労働契約 成立時に明確でなかった労働条件を、この日本語講習会で明示し たこと。

2.「継続雇用」説明の法的効果について

採用時の労働条件の説明や労働契約締結は代表者(理事長)が自 らおこなうことはなく、教職員を通じておこなわれ、その過程で なされた労働条件の提示や労働契約は、すべて法人に効果が帰属 すること。
99年に開催された「日本語講習会」は、言語教育センター所長名 義で「案内文書」を発送し、法人の費用負担で開催されたことか ら、実質上の主催者は法人であったこと。
講習会で事前に配布された質問リストに「4年後の更新について知 りたい」と印字されており、召集通知の発信主体であると同時に 司会者であるセンター所長により、この質問に対する回答がなさ れたこと。
これらを総合すれば、センター所長が説明会(講習会)の運営や 説明内容について、法人から権限を委任された代理人として、労 働契約条件に関する法人の意思表示をおこなったと解することが できること(有権代理)。仮に、内部的に有権代理としての権限 がなかったとしても、表見代理(権限があると思われても仕方が ない状況で説明・意思表示)は優に成立すること。
仮に、表見代理の成立が困難であったとしても、常勤講師からみ れば大学のセンター所長の説明を受ければ、継続雇用の期待を抱 くのは当然であるし、その期待は主観的なものに留まらず、客観 的に合理的理由があること。

3. 解雇事由の不存在、「雇止め」無効

普通解雇事由・整理解雇事由ともになく、解雇事由の不存在。
センター所長から雇用の継続の約束がなされたこともあり、常勤 講師は継続雇用の合理的期待を有しており、大学の更新拒絶には 解雇権濫用法理が類推適用されるべき。
以上

投稿者 管理者 : 2006年11月24日 00:00

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