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2006年12月08日

北陸大学、6年制薬学部・大学院担当外し問題-報告4

北陸大学教職員組合
 ∟●ニュース239号(2006.12.5発行)

6年制薬学部・大学院担当外し問題-報告4

石川県労働委員会第1回審問 岡野、佐倉氏証人尋問

 本年度から6年制薬学部がスタートしたが、既報のように3名の組合員教員(佐倉教授、田端講師、荒川講師)が6年制薬学部担当から排除され、また6年制薬学部担当教員でないことを理由として、現行4年制薬学部の大学院担当も外された。3教員は20年以上、本学薬学部で教育に携わってきた教員である。この担当外しについて、教職員組合は、6年制薬学部を文科省へ届出する機会に乗じた組合攻撃、組合弱体化を意図する不当労働行為と認識した。それゆえ、今年5月27日に、薬学部組合員に対する不当労働行為救済申立を石川県労働委員会に提出し、第三者を介して理事会側に担当外しの理由説明を求め、その不当性を訴える行動を起こした(『教職員組合ニュース』第234号、236号、237号)。

 同委員会では2回の調査(8月7日及び9月28日)があり、審査計画が策定され、迅速化を目指して合意した日程に従い、審査が進行する。2月末には最終陳述書が提出され、平成19年3月末には裁定、命令交付が予定されている。この日程の第1回審問が11月6日(月)にあり、岡野前書記長と佐倉副委員長が証人尋問に立った。

 岡野前書記長は、あらかじめ組合設立当初(1995年)年からの法人理事会による不当労働行為の歴史と組合敵視の事実、その他新学部設立や6年制薬学部届け出時の組合員外しなどについて陳述書を提出していた。午前中それに対する主尋問(90分)と反対尋問(90分)があり、午後には佐倉副委員長に対して、主尋問(60分)と反対尋問(60分)があった。組合側は3弁護士と土屋元組合執行委員長、三宅氏(日本私大教連書記局)など9名の補佐人が出席し、大学法人側は3弁護士と当日、急遽参加の要望が提出されて認められた河島氏、中川氏ら、補佐人5名が出席した。

 岡野前書記長は、北元現理事長体制の強化に伴って教授会が形骸化し、労働条件が悪化したことなどが組合設立の背景となった、という証言から始まり、続いて外国人講師の不当解雇、事務職員の不利益不当配置転換、盗聴器事件、名誉教授称号の拒否、民主化運動への攻撃、などを証言した。さらに、最近の団体交渉における理事会の組合無視の実態を述べ、新学部と教育能力開発センター設置を利用した組合員差別、未来創造学部のカリキュラムを利用した組合員攻撃と排除の実態を証言し、今回の薬学部の問題が組合敵視と組合活動へのみせしめであることを主張した。また、大学の専横体制強化と抑圧に耐えかねて、多数の非組合員を含む教員が大学を去った現状を労働委員に訴えた。

 佐倉副委員長は、2003年頃から薬学部においても、入学定員460名への大増員に伴うカリキュラム変更を利用した組合員教員の担当科目外し、2004年度のアドバイザー制度から担任制度への名称変更を利用した組合員教員に対する差別と攻撃から始まり、6年制薬学部への制度変更(文科省への届出)を利用した担当外しと現行4年制学部の大学院担当外しの経過を証言した。加えて、排除と差別の理由が労働委員会への申し立てまで説明されなかったこと、「答弁書」等によって初めて、そして次々に「後付けの不合理な理由」が持ち出された事実と経過、更にその担当外しの不当性について詳細に証言した。

 被申立人側は、いくつかのポイントで反対尋問を試みたが、佐倉証人への反対尋問においては、6年制薬学部届け出前に行われたアンケートに対する佐倉証人の回答を問題にした。しかし、県労働委員会は、アンケートだけでは佐倉教授がただ一人「不適任となる特段の事情」が明らかでない、として大学法人に釈明を求めた。さらに、荒川講師についても、本年度助手から講師に昇格した人を除くとただ一人6年制担当から外されたことに対し、「他の講師以上の教員と比べて不適任とする特段の事情」の釈明が求められた。

 第2回審問は12月12日(火)で、田端講師と荒川講師への証人尋問が予定されている。両人は既に不当労働行為の詳細な事実とその不当性を論証する陳述書を提出した。4名の証人が提出した陳述書は、合わせてA4用紙120ページを越え、また主張を裏付ける証拠資料も110件(数百ページ)を越える膨大なものになった。さらに万全を期すために、多くの組合員、元組合員のご協力をいただき、準備を進めている。

 なお、第3回審問[平成19年1月17日(水)]では、河島証人への主尋問(120分)と反対尋問(120分)が行われる。


投稿者 管理者 : 2006年12月08日 00:00

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