個別エントリー別

« 九州保健福祉大学、薬学部新設財政支援訴訟(宮崎地裁判決) 住民の訴えを棄却 | メイン | 福岡教育大学、教員有志の学長辞職を求める声明(2月20日) »

2004年02月25日

「占領下のイラク写真展・緊急!イラク現地調査報告/週刊MDS豊田護 記者」(2月15日名古屋)

主催:イラク国際戦犯民衆法廷(ICTI)東海公聴会
http://icti-t.or.nu

 2月15日、名古屋市・東別院会館において「イラク国際戦犯民衆法廷(ICTI)東海公聴会」主催の「占領下のイラク写真展・緊急!イラク現地調査報告」が開催されました。この取り組みに参加された名古屋在住の一参加者の方から,その報告と感想が寄せられましたので,ここに掲載いたします。(HP管理人)

名古屋在住一参加者の報告と感想

 今日の報告で分かったのは、占領軍がイラクで行っている活動がイラク国民のための復興ではなく「イラクの復興」という名目で、利益は外国資本企業(ベクテルやハリバートン等)が独占している事実でした。
 (イラクの人の話)
 「仕事は、ほとんど米企業が契約を受け、イラク人のためにならない方法でされる。例えばパイプラインの復旧に、一層の低賃金で雇える外国人労働者を使う企業があった。地元業者の見積書の10倍の工事費で請け負った企業もある。」 
 
 イラクの人達が、一番求めている水道・電力・通信等の生活インフラの復旧は後回しにされていて、いまだに鉄塔の送電線は切れたままで、一般市民への電力供給も滞ったままです。
 通信網が破壊されたままになっているため、通信手段の確保のためには高額な衛星携帯電話を買うしかありません。
 衛星携帯電話に手が届かない一般のイラクの人達は、連絡事項があった場合には、直接、先方を訪ねる事しか方法はありません。
 今のイラクでの占領軍の活動では、利益は国外へ流出してしまい、イラク国民は納得できないと思います。
 小泉首相は、アラブのテレビを使って「復興支援」を宣伝しました。しかし、日本がイラクの軍事占領に加担するのをごまかしました。
 イラク国民の願いは生活インフラの早期復旧と、イラクの人達への早期主権返還だと思います。
 イラク人が主体的に行う復興が世界中のの願いだと思います。

 
 豊田護さんのようにイラクの人達の視点で現場を見る事は大切だと思います。
 そして、日本が選択を間違った場合は司法の力で訴えていく事は、平和な世界を子供達に贈るための義務です。
 平和憲法は、権力者の手によって奪われたら二度と取り戻せない大切な宝物だと思うのです。でも子供達に残したいのです。
 そして、「自分達の力はとても小さいから」と諦めるのではなく、平和を願う気持ちが輪になって広がっていけば世界の秩序は守られると思います。

 右派とか左派とか、どちらかによると政治色のある近寄りがたい人物と見る傾向があります。平和がいいと言うと、自分では意識していなくても「左派」。ではどちらにも属さない人であれば良い人なのでしょうか? 無関心な人が良い人なのでしょうか?
 マザーテレサが日本人に対して語った演説で、初めて「愛の反対は無関心」という表現を使ったそうです。
 日本人に言いたかった メッセージだったのだと思います。
 でも平和を願う気持ちには、政党とか宗教とか関係無いと思います。
自分は自分の基準で、戦争は絶対に繰り返してはいけないと思うのです。
 
 豊田さんの報告の中で、「日本の人達は、戦後初めて他国に軍隊を出すというイラクへ自衛隊派兵という決定について、こんな重大な出来事なので多くの国民の賛成があっての決定なのでしょうか?」という質問に対して「(1月初旬)世論調査では、大多数の国民は自衛隊のイラク派兵については反対でした」という答えに、「それでは、なぜその国民の反対を押し切って自衛隊は派兵されたのですか?
 つまり日本の国民には、自由が無いという事ですね。自国に無いものを、よその国に与える事はできません。
 日本の人達は、イラクに自由をと言う前に自国を見直す事が先決問題ではないでしょうか?」という言葉に「日本が平和憲法を遵守して、基本的人権が守られる国」を逸脱しようとしている今の流れを食止める事が出来なければ、よその国の事を言う資格は無いと思いました。
 戦争は大財閥・大企業が自分達の利潤を守るための、たくさんの人の命を犠牲にする最悪な手段だと思います。

 「豊田護氏のイラク報告」では、湾岸戦争で使用された劣化ウラン弾によるサマワの病院で出生した新生児の被害状況写真も見ました。
イラク戦争でも大量の劣化ウラン弾が使われていた事実が米兵が家族に宛てたメールに書かれてあったと米兵家族の証言があったそうです。
 先日のサンデープロジェクトの「劣化ウラン弾の恐怖」の映像ではバクダットのような都市で「劣化ウラン弾」を大量に使ったのに最前線の米兵が気づかないまま警備していました。放射能の汚染が確認される装甲車に「コーラあります」と看板をかけて店として使っているイラク市民もいました。
 川口外務大臣は、劣化ウラン弾の被害に対する国からの補償を避けるためか「アメリカが劣化ウラン弾を使用した報告は確認しておりません」と映像の中で言っていました。
 自衛隊がガイガーカウンター(放射能測定器)を持って行っている事実は国は知らない事になっているそうです。

今のイラク占領活動に自衛隊を巻き添えにしてほしくありません。
 自衛隊の皆さんは、平和憲法のもとで契約して自衛隊になったのであって、戦闘地帯に行くのは憲法違反だと思います。
 ましてや米英の先制イラク攻撃は、イラク国民の人権を無視しています。
国際法違反の米英のイラク占領を支持する事は、劣化ウラン弾を使用した戦争まで支持してしまう事になるので、いけない事だと思いました。

投稿者 管理者 : 2004年02月25日 01:34

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://university.main.jp/cgi/mt/mt-tb.cgi/468